工業会年頭所感2011年 魅力ある工業会へ将来ビジョン策定

2011年の新春を迎え、謹んで新年のお喜びを申し上げますとともに、日頃からの当工業会に対するご支援に厚く御礼申し上げます。

さて、昨年の経済状況を振り返りますと、アジア地域を中心とした新興国や資源国の力強い経済成長が挙げられますが、その一方で米国では高失業率、緩慢な景気回復、欧州では金融不安など先進国の構造的な経済問題が深刻化したため、先進国と新興国の格差が縮小し、世界経済がますます均一化の方向にあります。そのような状況のなかで日本は、円高・株の不安定な動き・政治の混迷など厳しい要素がありましたが、好調なアジア経済とエコカー補助金やエコポイントの駆け込み需要などにより景気が持ち直してきました。

当工業会でも10年度上期の出荷額は、08年度上期以来4半期ぶりに3000億円を超え、前々年同期比は94・6%でリーマンショック前の水準にあと少しのところまで回復してきています。このような状況により当工業会の10年度出荷見通しは、当初出荷見通しに対して500億円増、前年比136・1%の6200億円と予測しています。これは、3年ぶりの6000億円超えとなり、特に輸出については、07年度を上回り過去最高の見通しとなるなど、持ち直しが鮮明になっています。本年は、引き続き世界経済減速による輸出の鈍化、消費刺激政策効果の減少、円高の影響など不安定要素があり、しばらくは横ばいの状況で推移すると予測されますが、春頃から踊り場を脱却し、緩やかな回復傾向を示していくと見込んでいます。

このような環境下、当工業会といたしましては、基本方針である高度なものづくりを支える「サポーティング・インダストリー」また「ものづくりを実践する製造業集団」として基礎技術の強化と高度化に取り組み、製造業並びに関連産業界の永続的な発展に寄与し、豊かな社会づくりの実現に向け努めてまいります。

具体的には、当工業会の重点施策である3S「Standardizaton(標準化)、Safety(安全)、Sustainable
Society(環境関連)」を積極的に進めてまいります。

工業会の基幹ミッションである標準化活動として、本年3月に大阪と東京でEUインスティテュート関西(EUIJ)、EUスタディーズインスティテュート(EUSI)と共催で国際標準化シンポジウムを開催するなど更に国際規格の情報収集や調査・研究に取り組みます。安全では、昨年立ち上げた「セーフティベーシックアセッサ(SBA)制度」の普及活動の推進と「セーフティアセッサ(SA)制度」の更なる普及拡大、産学連携による機械安全に関する各種の啓発活動など内外に広く取り組みます。環境では、国内外の化学物質法規制、環境配慮製品などに関する調査・研究、情報収集に引き続き取り組みます。

さて、そのような取り組みを継続して実施してきておりますが、冒頭に述べましたように、最近の我が国製造業を取り巻く環境変化は著しく、その変化が与える当工業会への影響も軽視できないものとなっております。

このような背景から当工業会では昨年より、制御機器業界を取り巻く環境変化に対応して工業会自体がどうあるべきか工業会のあり方等を具体的に示す「工業会の将来ビジョン」の策定を進めております。昨年、経済産業省より発表された「新成長戦略」の中で、これからの日本に必要な成長分野は、グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー分野、成長著しいアジアを中心とした外需を取り込むアジア経済の分野、そして健康あるいは少子高齢化に対するライフ・イノベーション分野が、成長分野の三本柱と言われています。

当工業会では、グリーンエネルギー分野で、地球温暖化対策への取り組みや環境にやさしい制御機器製品の提供など、アジア経済の分野では当工業会は中堅中小企業が多くいかに海外のマーケットにつながって新興国の伸びゆく需要を取り込んでいくかの課題が、また、ライフ・イノベーション分野も医療機器や少子高齢化に伴う工場の省力化など従来まで取り組んでいたことやこれからの課題と重なる部分が多くあります。これらの内容も盛り込みながら、本年は「工業会の将来ビジョン」を完成し、工業会の魅力度向上のため各種活動や体制の見直しを図っていく所存です。

これらの取り組みを通して、本年も会員各位ともに製造業の永続的な発展と制御機器業界の更なる発展に貢献していく所存ですので、関係各位の一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。最後になりましたが、本年が皆様方にとりましてすばらしい年になりますよう祈念して年頭のご挨拶といたします。

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