混沌時代の販売情報力 黒川想介 商談テーマの管理は活用法がポイント

2010年5月12日

電気・電子部品やコンポを扱う営業でも、パソコンが広く使われだしてから商談テーマ管理をするようになった。大型案件、システム案件や面白い案件を発掘して受注を目指すための管理手法としては、大変有効であると思う。メーカーの直販や大手商社の担当する民生用・業務用市場、それにシステム対応が求められるユーザー市場には必要な管理手法である。

顧客の特性や販売する商品の特性が、商談テーマ管理に合っているからである。現在ではどの営業会社も商談テーマ管理を導入しているが、本当に生産性は上がっているのだろうか。産業設備市場や中・小の業務機器市場向けに販売している大半の販売会社が、現在行っているような商談テーマ管理は、販売員の生産性を上げているのだろうか。

メーカー直販や大手商社とは違って、一般汎用品を多くの顧客に対して、かなりの点数にのぼる部品やコンポを敷き詰めるように販売しているのが実情である。商談テーマの管理ソフトを導入したから、商談テーマ管理を始める。それが世の流れだと思ってやっているのが実情ではないだろうか。もしそうであるなら営業生産性の向上には、それほどの効果をもたらしているものとは思えない。

その理由を考察してみると、まず1つ目として、リピート性のある多種類の汎用部品やコンポを販売している販売員は、こなすだけでも多忙をきわめ、精神的余裕が感じられない。2つ目として、販売員が入手する案件はほとんどが顧客側で既に決定しているものの告知である。3つ目として入手した案件のすべてを、商談テーマに登録するのは大変であり面倒くさい割にはあまり意味がないものと販売員は思っている。4つ目としてキャンペーンや拡販作戦などでは、商品が限定されていることが多いため販売員も積極的に登録する。しかし、既に顧客が決定しているものをかき集めているに過ぎないゆえに受注処理に近い行為である。

以上のような理由を見てくると、多数の小口商談だから商談テーマ管理をする必要がないと言っている訳ではないことが分かると思う。つまり商談テーマ管理は、次月の受注予測や先の見通しの傾向を見る指標にはなるだろう。

しかし売り上げ計画の進捗を見る管理職の人々には欠かせないということになるが、売り上げ増に変化を与える活動にはなっていないのである。だからと言って、売り上げ増のために商談テーマ管理は効果はないと決めつけられない。

情報を制する者は有利に戦えるというのは兵法の習いであるが、販売活動においてもまた然りである。商談テーマは情報の一種であるから、当然売り上げ増のためには商談テーマ管理は重要である。要するに商談テーマ表の活用の仕方次第ということである。

上司と販売員の会話のツールとして用いることによって、部下指導のツールになる。受注を若干先取りした受注傾向を見ることになるので、何らかの手を打つ資料として用いることができる。

商品を供給するメーカー営業と販売店との会話のツールとして用いれば、販売員育成になるしメーカーと販売店の共同作戦の資料になる。

それに商談テーマの量と質は、販売活動の結果としてとらえることができるから、どのような販売戦術を展開すればよいのか、またどのように販売員を育成すれば良いかを考えなければならなくなる。

商談テーマや一覧表を見るたびに考え、実行していけば販売戦術展開がうまくなるだろうし、販売員の育成も地道に進んでいくだろう。
(次回は5月26日掲載)