ここ10年ほど、ソリューションだ課題解決だと顧客の課題や問題の解決に軸足を置いた提案型ビジネスが盛んとなっている。「もの売りからからこと売りへ」といった言葉が流行ったのもこの頃だ。しかし実際のところはどうだろう?顧客の課題は解決し、提案する側の事業は順調に拡大しているのだろうか。
というのも、悩みや課題とは目の前の表層の問題の羅列であり、消えては生まれるものである。特に現場レベルではその傾向が強く、目の前の課題解決を繰り返しても対処療法でしかなく、本質の課題解決になっていないことは多い。目前の課題に対してお互いにリソースを消費し、実は大して前に進んでいなかったりする。
であれば、どうすべきなのか?課題解決型は、顧客の課題に依存するビジネス。言い換えれば、顧客まかせであり、提案者がうまく本質を掴まないと、表向きの課題解決だけで終わってしまう。先行き不透明な時代、顧客もどうすべきか迷っているなかで、提案者に求められるのは、自らがはっきりと描く未来と、それを実現する意思だ。こうしたい、こうなって欲しいという姿と、それを実現する製品やサービス、プロセス。顧客の後押しになる言葉であり、行動であり、提案だ。それがお互いに責任を生み、信用を生み、前に向かって動き出す。寄り添って聞くというよりも、聞いた上で強く提案する。そんな強さ、リーダーシップが停滞を壊すのだ。