2013年12月から、従来のプロダクト中心型からアプリケーションを軸とした問題解決型のソリューション体制へ取り組みを変えてきた。当事業本部は自動車分野以外の産業・家電およびOA・ICT分野を担当し、産業分野の全社売り上げに占める比率は、自動車分野の約40%に次ぐ約20%と2番目に大きく、注力分野と位置付けている。こうした一環として昨年9月、初のアプリケーションを中心としたプライベート展示会を開いた。産業分野では、インダストリー4・0やIoTなど、ネットワークを繋ぐ中で、サービスの価値を高めていこうというユーザーの動きが出ている。ネットワークを介し、クラウド上で装置間の情報を連携しつつ、センサ等を含む複数機器を同期させてリアルタイムに制御する時代に入ってきた。当社としてもリアルタイム性に優れたソリューションを提供していく。
そのひとつとして、最大600MHz動作の高速CPUとマルチプロトコル対応の産業イーサネット通信向けアクセラレータ「R―INエンジン」を搭載し、ACサーボドライブなどの産業機器・装置のリアルタイム制御とネットワーク化を同時に実現した「RZ/T1」を製品化、今月31日からサンプル出荷を開始する。センサやアクチュエータなど複数のプロトコルをサポートするエンコーダ・インタフェースを搭載したことで、モータ制御をプログラマブルな形で実現できるようになり、変化の激しい市場への早期投入が可能となる。今年4月には、産業イーサネット通信を核にした製造業のグローバルネットワーク「R―INコンソーシアム」を発足させる。当社がプラットフォームを提供することで、参加企業各社の強みを連携させた競争力のあるソリューション提案を創出できる場を構築する。これを製造業界のエコシステムとして活用いただくことで、WinWinの協業関係へ発展できると思う。