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【各社トップが語る2021】鳥居電業「蓄積された知見でコト売り」齊藤修 代表取締役社長

鳥居電業 齊藤修 代表取締役社長

 

2021年3月期の売り上げは、前年度比95%ぐらいになりそうだ。上期は半導体製造装置向けの販売が堅調であったものの、強みとしている医療機器向けが、コロナ禍で病院への据付けなどができづらくなったことに加え、輸出もコロナ禍が影響して相手国の受け入れ態勢が整わないなどの要因で、計画通りの売り上げに繋がらなかった。それでも新型コロナのPCR検査機向けや、レジ袋有料化に伴う代替包装用装置関連での特需もあった。

また、コロナ禍で遠隔地などの稼働現場に行きづらくなっていることに対応して、リモートでエンジニアリングやメンテナンスが行える機器・ソフトウェアの販売が急速に増えている。

来期は今期比約10%の売上増を計画し、前々期の実績に近づけたい。半導体製造装置、医療機器、自動車部品関連の市場にとくに注力していくが、中でも自動車部品関連は成果が出始めており、早い時期に全社売り上げの10%を目指していく。さらに扱い製品の差別化に向けて、海外メーカーも売れそうなおもしろい製品があれば扱っていきたいと思う。

19年から「Smart Automation」を掲げ、FAを中心に、LA(ラボラトリーオートメーションシステム)、ME(メディカルエレクトロニクス)など、あらゆるフィールドのオートメーション化を担うゲートウェイ商社として、ハードウェアにFA系のソフトウェアを組み合わせて提案する「モノ売りからコト売り」へシフトした活動を強めている。

一例としては、PAで使用されているSCADAを、FAのお客様のニーズに合わせてモディファイすることで装置の見える化に貢献している。長い社歴を持つ当社にはこうした知見が豊富に蓄積されており、容易にコト売りが実現できる。今後はこの知見を若手の社員に伝承する取り組みを進めたい。