ロックウェルオートメーション、「スマートマニュファクチャリング報告書2026」日本はAI導入に積極的も、スピード感に課題 組織と人、データの壁壊せ

ロックウェル オートメーションは、世界の製造業各社のリーダ1560人にスマートマニュファクチャリングについて聞いた結果をまとめた「スマートマニュファクチャリング報告書」の2026年版、第11回目のレポートを公開した。すでに世界ではDX、AIは取り組んで当たり前の状態になっており、日本はPOCではグローバルと同程度に進む一方、実運用への導入には慎重で、そこにはリーダーシップ不足、合議制の意思決定構造などがスピード感を妨げている可能性を示唆した。
グローバルの状況について、DXへ取り組むのは当然という認識で、成果を上げる上ではAi活用は欠かせない要素と評価。導入の進捗状況は、POCから現場での実行段階に入り、AIは3割程度が導入済み。すでにAIが各種オペレーションの高度化支援に効果を挙げていて、2030年にはAIの導入率は5割に達し、自動化から自律化へと進化していくとした。

一方、日本では、スマートマニュファクチャリングやAIに非常に高い関心と投資意欲を持っているが、部分導入にとどまりやすく、実行スピードにも課題感があることが明らかになった。日本はスマートマニュファクチャリング技術を「既存の生産資産を高度化する手段」として捉えている向きがあり、そのためPOCは世界と同程度に進んでいるが、大規模に全社で活用するのは世界平均の22%を下回る14%にとどまった。導入時期も、今後7〜11カ月以内の導入が22%と世界平均の39%を下回り、今後1〜2年が53%と世界平均27%の2倍近くになった。日本の回答者が現場に精通した中堅~シニア層の管理職が中心であったことと、日本特有の慎重さが回答に現れた格好となった。
ただAIに対しては、世界トップクラスの積極性、前向きな姿勢を取っており、生成AI等への投資済み割合も70%(世界平均55%)あり、高い投資対効果を得た割合も41%(世界平均32%)と好調。しかし実際の業務に活用できている割合は26%と世界平均の34%に届かず。収集したデータを有効活用できている割合も世界平均の43%を下回る31%にとどまり、AI以前のデジタル基盤や業務連携の未整備が足枷になっていると指摘した。
日本の最大のボトルネックになっているのは「人と組織」とし、スマートマニュファクチャリングを進める上での課題は「リーダーシップの不足」が42%で世界平均の約2倍となるなど、日本特有のボトムアップ、合議型の意思決定構造が足枷になっている可能性を挙げた。
これを受けてロックウェルオートメーションジャパンの代表取締役社長の矢田智巳氏は「日本はAIに期待を大きく寄せている。ただ技術導入から全社展開、価値創造のプロセスなどROIとして回収しなければいけないフェーズに入っているが、組織や人の問題で進んでいない。またAI活用にはデータ基盤やセキュリティが不可欠と分かっていながら、ここにも課題感がある。日本は合議制による慎重な意思決定のプロセスがあるが、意思決定から実行までのスピードを加速させることが重要である」とまとめた。