【兵神装備×HMSネットワークス】老舗ポンプメーカーが挑む「守りのIoT」から「攻めのデータ活用」 へ IoT遠隔監視サービス「C2-Connect」の通信基盤に「Ewon Flexy」採用 ポンプの信頼性と予知保全を強化

兵神装備は、主力製品であるモーノポンプの安定稼働と顧客価値のさらなる向上を目的に、IoT遠隔監視サービス「C2-Connect(シーツーコネクト)」を2024年10月に正式リリースした。その通信基盤として採用されたのがHMSネットワークスのIoTゲートウェイ「Ewon Flexy」だ。C2-Connectを通じた取り組みは、単なる遠隔監視にとどまらず、データを起点とした新たな価値創出への第一歩となっている。

「混ざらない、壊れない」独自技術のモーノポンプ
兵神装備は1968年設立の産業用ポンプメーカー。船舶用汚泥ポンプから始まり、ドイツ企業からの技術導入を経て、現在の主力製品である「モーノポンプ」の製造販売へと至った。
主力製品であるモーノポンプの安定稼働と顧客価値の向上を目的に、IoT遠隔監視サービスとしてC2-Connectを2024年10月にリリース。その通信基盤として採用されたのが、HMSのIoTゲートウェイであるEwon Flexyだ。
ポンプを見守るIoTサービス「C2-Connect」
ポンプは、工場やプラント、社会インフラにおいて流体や粉体を移送する重要設備であり、停止は許されない。しかし従来は、不具合が発生してから対応する事後対応型の運用が一般的であったため、突発的なライン停止による損失や、人手不足による対応遅延といった課題が顕在化していた。
さらに、メーカー側も納入後の稼働状況を十分に把握できず、実態に即した保全提案が難しいという構造的な問題を抱えていた。
C2-Connectはこうした課題を背景に開発され、ポンプおよび周辺設備の稼働データを遠隔で収集・可視化し、異常の兆候をいち早く捉えるIoTサービスだ。回転速度や吐出量、圧力といった主要データをリアルタイムで把握できるだけでなく、異常発生時にはメールや音声通知により迅速な対応を可能にする。さらに、履歴データの蓄積やCSV出力、遠隔でのパラメータ変更といった機能により、現場の点検作業や手作業による記録の負担を大幅に軽減し、従来の事後対応から予知保全への転換を実現している。

採用の決め手となったEwon Flexyの強み
そして、このIoT基盤を支える中核として採用されたHMSネットワークスのIoTゲートウェイであるEwon Flexy は、多様なPLCとの高い接続性と、現場でも扱いやすいシンプルな設定性が高く評価された。実際に、複数の異なる制御機器から安定してデータを取得できる点は、システム構築において大きな優位性となった。
また、VPNによるセキュアなリモート接続や、ISO27001に準拠したセキュリティ体制も、顧客ネットワークへの導入において重要な判断材料となった。産業用途に求められる耐環境性能と通信の安定性も含め、総合的に信頼できるプラットフォームである点が採用の決め手となった。
アジャイル開発を支えた安定した通信基盤
C2-Connectの開発において、兵神装備は従来のウォーターフォール型ではなく、アジャイル開発を採用。実機環境でのテストと改善を繰り返す中で、Ewon Flexyは安定した通信性能を発揮し、開発のスピードと品質の両立に貢献した。過酷な産業環境においても信頼性を維持できる専用機としての特性は、開発効率だけでなく、運用後のトラブルリスク低減にも寄与している。
導入効果と現場にもたらした価値
正式リリース後、C2-Connectはすでに顧客現場で具体的な成果を上げている。モニター導入企業からは、年間120時間以上の工数削減や、夜間・休日における異常の早期検知と迅速対応の実現といった評価が寄せられているという。無人での常時監視を可能にすることで、人手不足に悩む現場において大きな価値を提供している点も特筆すべき成果である。
「守り」から「攻め」へ ―データ活用の次なるステージ
兵神装備にとって、この取り組みの本質は遠隔監視にとどまらない。C2-Connectによって収集される実際の稼働データや負荷情報を製品開発にフィードバックすることで、より高性能かつ顧客ニーズに適合した製品開発を実現することにある。これまで不透明であった使用実態が可視化さ
れることで、データに基づく設計・改善のサイクルが構築されつつある。兵神装備は今、「守りのIoT」から「攻めのデータ活用」へと大きく進化しようとしている。
開発を担当した市川武彦氏と岡本光輝氏は、「これまでは、現場でどう使われているかは不透明でしたが、いまは実際の負荷データ、稼働パターンが詳細に手に入るようになりました。これらのデータを設計部門に渡し、データに基づいて製品を改良していくサイクルの構築につなげたいと思っています」としている。