三菱電機、鉄道向け長距離LiDAR 業界初 600メートル先の人や障害物を検知可能な

三菱電機は、600メートル先の人や障害物を検知可能な鉄道向け長距離LiDARを開発した。同製品は、鉄道車両の自動運転化や鉄道沿線の安全確認作業の効率化に貢献する。
従来のLiDARは距離が増すにつれて点群の密度が低くなり、検知精度が低下するため、最大制動距離が600メートルと長い鉄道車両への適用が困難であった。これに対し同社は、レーザー光の水平・垂直方向の視野角を小さく設定し、点群の密度を高めることが可能なガルバノスキャナを適用した。鉄道車両に搭載した場合に600メートル先の人の検知が可能となるほか、鉄道沿線に定点設置した場合は、600メートル先の高さ20センチメートル程度の小さな落下物の検知も可能である。ソフトウエアの設定変更で視野角を容易に調整できるため、前方監視と沿線監視の双方に適用できる柔軟性を持つ。
さらに、付属のLiDAR制御装置に搭載した独自の物体検出AIにより、人、車、自転車といった障害物の種類を高速かつ高精度に識別可能である。このAIは、点群データをグラフ構造に変換するグラフニューラルネットワークを活用している。
開発品は、幅300mm、奥行き160mm、高さ150mm、重量7.0kgで、最大検知距離は900mである。同社は、本LiDARを活用したシステムを2027年度の製品化を目指し、高速道路の障害物検知など多様な用途への適用拡大を図る。
https://www.mitsubishielectric.co.jp/ja/pr/2025/pdf/1120.pdf
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