自律化の時代に向け私たちは「自立」しよう 自分の行動に責任を持つ
ドイツのオートメーションメーカーのフエスト(FESTO)が100周年を迎え、その記念式典に参加した。100年前の1925年といえば、日本では大正14年。第一次世界大戦終結後、第1回の普通選挙が行われ、大正デモクラシーが花開く一方、ヨーロッパではファシズムが力をつけてきて、風向きが危うくなっていた頃。激動の時代を乗り越え、今も最前線で活躍しているのだから素晴らしい。
式典のなかで印象に残ったのが、プレゼンの中に出てきた「指示による自動下、意図による自律化」との言葉。当たり前の話ではあるが、自動化は、やり方まで細かく指示しなければならないが、自動化を超える自律化は、「こういう狙いでこうしたい」という方向性を示すことで実現する。自律化、Autonomousという言葉は、いままでAMR(自律搬送ロボット、Autonomous Moblile Robot)でしか聞かなかったが、最近はいたるところで耳にするようになってきた。これは、すべての動作を細かく設定せずとも、状況判断とそれに応じた制御ができるところまで機械が到達したということを示している。裏を返せば、機械を作る側、使う側の人間は、自律化の時代にはどうあるべきか、どんなスキルが求められるのかを考えて実践する、人も変わなければいけない時代がやってきたということだ。
自律化の時代は、誰かの指示を待つ、判断を仰ぐ、誰かの責任という庇護の下で動くというのは機械の領分になる。そうしたなかで、これから人に求められる役割は、作業者ではなく、創造者であり管理者となること。自分で考え、判断し、行動し、それに責任を持つ。つまり「自立」だ。それは今も当たり前だが、今後はそれがさらに加速していく。責任が重くなっていくのが良いことかどうかは分からない。しかし少なくとも、自分の行動に責任を持ち、自立する人が増えていく世界は大歓迎だ。他責や無責任がまかり通る世界だけは勘弁してほしいものだ。
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