日本の産業用ロボット市場の最新状況 2025年上半期の受注・生産・出荷額すべて前年超え 受注も回復 アジア向けに勢い

日本の産業用ロボットの最新の市況について、日本ロボット工業会がまとめた市場統計「ロボット統計 受注・生産・出荷実績 【会員ベース】」によると、2025年1−6月上半期は、受注・生産・出荷額のいずれも前年を上回る数値で推移しており、底を脱して復調傾向で推移している。

2025年1−6月上半期の受注・生産・出荷実績は、金額ベースでは、受注額は前年同期比27.9%増の4325億4100万円、生産額は18.4%増の4014億4200万円、出荷額は20.4%増の4095億6400万円となった。ロボット市場が急速に拡大した過去10年のなかで、受注額は2022年、2021年に続く3番目、生産額と出荷額は2022年、2023年、2021年に続く4番目に多い数字となった。
またコロナ禍や部材不足、納期問題で2021年から2022年までは受注が急増して生産を上回っていたが、2023年、2024年と受注残の消化が進み、2024年第4四半期から2025年にかけて受注が生産を上回るようになり、市場の正常化が進み今に至る。
仕向地別では、国内出荷額は3.7%減の911億7400万円。1−3月期は前年を超えたが、4−6月期は国内向けに勢いがなく、自動車製造業向けを中心に主要業種で減少したのが響いた。
輸出額は、29.7%増の3183億9100万円。地域別ではアジアが43.6%増の2225億6800万円、北米が45.1%増の601億7100万円、欧州が46.4%減の311億9400万円。アジアと北米は大きく伸びたが、欧州は厳しい状況が続いている。アジアでは、最大の需要国の中国が4−6月期に2022年10−12月期以来の700億円を超えて復調の兆し。さらに中国を除く地域で過去10年で最高額となる933億2700万円を記録し、勢いが増している。

https://www.jara.jp/data/press/2025/250725.html

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