三菱電機「機械の休日」が示した機械化・自動化、設備投資の重要性

少し前から糖質を控える食事制限を始めた。効果が出るのはまだ先だが、この生活のなかで驚いたのが、米や小麦の美味しさだ。たまに口にする白米がまた美味しいことおいしいこと。なぜこれらの穀物が世界中の主食となり得たのか。わかる気がする。制限(我慢)とは、解除(開放)した時にそのありがたみを実体験できる有効な手段。時には敢えて行動に制限をかけてみると新たに見えてくるものがある。

三菱電機が「もしも機械が休んだら 機械の休日」と題した動画を公開している。工場にあるすべての機械が休みを取ったら生産工程はどうなるのか?を再現し、人がモーターの巻線をしたり、コンベア代わりにバケツリレーで搬送したり悪戦苦闘する様が描かれている。企業公式が出すイメージビデオだから仕方ないかもしれないが、全体的にポップな内容で、機械化や自動化の重要性・必要性というメッセージが薄まっていたのは残念だった。それでも、私たちの生活、特に工場での生産は機械に支えられている、機械や自動化設備は人に代わってすごい仕事をしている、機械がないとこれだけ非効率であるということがひと目で分かり、とても良い内容だった。いつも動いているのが当たり前と思ってしまっているが、これからは機械を見る目が変わりそうだ。

私たち製造業は、工場の生産設備はもちろん、ITシステムなど、さまざまな技術に支えられて事業が行えている。現在の状況は、これまでの設備や技術への投資の上に成り立っており、設備投資がなければ今は存在しない。設備投資と成長は表裏一体なのだ。自動化やデジタル化が進まないという企業は、一度、三菱電機の動画のように、1日または半日、数時間でもいいから、自社のITシステムや現場の機械を止めて業務をしてみたら良い。どれだけそれらに救われているか実感し、新しいものを入れればもっと便利になるということが分かるだろう。設備投資をしないということは、将来にわたってその不便な状態が続くということ。そうした企業に未来はない、魅力もない、人が入ってくるはずもない。いまある設備や仕組みに感謝しつつ、それをアップデートして未来に備えていく。それこそが今必要なのだ。

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