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- 2023年7月3日
ロックウェル・オートメーション「第10回スマートマニュファクチュアリング報告書」デジタル投資に積極的な世界と控えめな日本 日本と世界の製造業の意識の違いが鮮明に 興味はあるが慎重な日本

いまや人手不足や労働生産性の向上は、日本だけのものではなく、世界共通の課題となっている。それに対し各国の製造業企業がAIをはじめとしたデジタル技術を活用し、製造業DX、スマートマニュファクチャリングに取り組んでいるわけだが、国によってそれに対する意識の違いはあるのだろうか?
ロックウェル オートメーション ジャパンでは、同社がまとめた「第10回スマートマニュファクチャリング報告書」をもとに、日本と世界の製造業企業を比較した結果をまとめた。
「スマートマニュファクチャリング報告書」は、毎年、ロックウェル オートメーションと調査会社のSapio Research社が共同で、製造業が発展している17カ国で製造部門を持つ1500社以上の企業を対象に実施している調査報告書で、今回が10回目となる。
世界と日本で意識の差が出たのが、AIへの投資。世界では95%の企業がAI・機械学習に投資または計画があるのに対し、日本は89%。生成AI・因果推論AIについても、世界の95%に対して日本は91%。わずか数%の差ではあるが、日本はAI投資への意欲が低めとなっている。
またサイバーセキュリティに関しても、世界の製造メーカーは外部リスクとして「インフレと経済成長」と並んで「サイバーセキュリティ」を上位に挙げている。一方、日本メーカ0は、労働力やAIの台頭、エネルギーコストなどが上位を占め、サイバーセキュリティは5位にとどまり、サイバーセキュリティ対策にAIを使うという企業も40%と世界に比べて低めだった。
だからといって日本企業の意識が低いわけではなく、スマートマニュファクチャリングへの投資で労働力不足を補うという日本企業は52%に上り、世界を上回っている。しかしそれをAIやオートメーションへ投資するかというと、日本企業は世界に比べて控えめの回答となった。
このほか、組織の成長を阻む内部リスクについて「リーダーシップの欠如」と挙げた企業は28%。外部リスクは「変化のスピード」という回答が36%といずれも世界を上回った。
同社は日本の状況について「日本はスマートマニュファクチャリングに対して高い関心と導入意欲を持ちながらも投資決定には慎重であり、労働力の高齢化を大きな課題として認識しつつも組織的・文化的な障壁が足かせとなって、成長の勢いが鈍化している」 と総括している。
スマートマニュファクチャリング報告書は、ロックウェルオートメーションのWEBサイトから誰でも入手できる。
