アドバンテック、AIイベント「Edge.AI Day Japan」開催 エッジコンピューティングでのAI活用を提案

アドバンテックは、2025年7月11日 東京・有明でリアルイベント「Edge.AI Day Japan」を開催し、約500人が来場した。近年、技術開発と普及が加速するAI技術について、同社は特に産業現場におけるエッジ領域でのAI活用の提案を強化している。イベントでは「Edge Computing & WISE-Edge in Action」をテーマに、国内初披露となる「NVIDIA Jetson Thor」搭載の産業用PCなどの200以上の製品展示や、主要な半導体メーカによるテクノロジートーク、パートナー企業による導入事例の紹介など、エッジAIの最先端を学ぶとともに、プログラム終了後の懇親会でネットワーキングも行われた。
午前の部は、キーノートスピーチとして同社の吉永和良代表取締役社長による「Edge Computing in Action!共創によるエッジコンピューティング市場への貢献」でスタートし、エッジAIの重要性と同社の戦略を紹介。「工場の自動化や自動運転など瞬時に判断が必要な場面ではクラウドAIでは間に合わず、エッジAIが不可欠となる。エッジAIは今後10年で5000億ドルの市場規模に達するほど巨大なビジネスチャンスがある」とし、「ボードから産業用PC、エッジサーバー、I/O、センサ、ネットワーク機器など2000以上の製品をワンストップで提供し、世界中の先進的な事例を日本に還元していく。また福岡の直方工場に50億円を投資し、新工場を建設し、高品質なものづくりとサービスを日本国内で提供していく」と日本市場での方針を示し、「AIの時代は待つものではなく、すでに来ている」とし、共に新しいビジネスを創出していこうと語った。
続いてNagarro 日本事業本部 マネージングダイレクターの和久田典隆氏が登壇し、アドバンテックとのと協業とエッジAIについて語った。DXの成功にはAI導入前にデジタルによるプロセス改善が必要で、その上でエッジAIを導入することがポイントとし、リテールや物流、製造業での事例を紹介。さらにソフトウェアの専門企業であるNagarroとハードウェアのプロであるアドバンテックがタッグを組むことで、業務プロセスの改善から、最適なハードウェアの選定、AIソフトウェアの開発、そしてシステム全体の設計まで、一貫した統合ソリューションを提供できると協業価値について話した。
続いて同社 営業統括本部 本部長 横見光 氏が「日本国内におけるエッジコンピューティング注力市場」として具体的な戦略を語った。注力する5つの市場として、①自律化システム、AMR(自律走行ロボット)や協調ロボット、ヒューマノイドなど、②製造業におけるスマートファクトリー、予兆保全、③医療・ヘルスケアにおける医療機器の高度化、④エネルギー・インフラの安定供給と効率化、リテール・社会システムにおける店舗のスマート化、社会インフラの監視を挙げ、これらに向けて、圧倒的な製品群、共創パートナーシップ、国内・海外での手厚いサポートを武器に、日本の成長産業を支えていくとした。
テクノロジートークでは、インテル、NVIDIA、AMDのグローバルをリードするシリコンメーカー各社によるエッジコンピューティング、エッジAI向けの技術開発、製品動向を紹介。午前の部の締めとして、同社 経営戦略室 コーポレートマーケティング ダイレクタの木下誠氏が、新製品と開発状況について触れ、自律システム開発用デベロッパーズキットや3Dカメラ、NVIDIA Jetson Thor搭載の産業用PCの新製品などを案内した。
午後は組み込み系と産業系の2つに分かれてセミナーを実施。パートナー企業によるエッジコンピューティング、エッジAIの活用ソリューションなどの講演が行われた。産業系では、マクニカ クラビスカンパニー、ユニバーサルロボット、コンピュータマインド、AWL、Allxon、アドバンテックの各社がそれぞれのAIを活用したソリューションについて解説した。
