オートメーション新聞N0.403を発行!24年度のFA・制御機器市場まとめや主要各社の24年度決算など掲載中

主要FA・電気・機械商社2024年度決算 景気低迷は底打ちも本格回復まで至らず 自動化需要は根強く、受注は回復傾向 提案強化で需要獲得へ

主なFA・電気・機械部品の商社の2024年度決算がほぼ出揃った。2024年度は、この数年続いてきた納期問題がようやく正常化し、市況の本格回復が期待された一方、在庫調整局面に入り、その影響を受け、FA関連部門は厳しめの結果となった。受注は少しずつ回復してきているが、物価高騰や市場・分野ごとの濃淡。米国の関税問題など懸念事項も多い。2025年度も難しい舵取りを強いられるが、人手不足や設備の老朽化、変革の必要性などでFA・自動化技術を求める領域も多々あり、それを見極めてリソースを投入していくことが重要となる。

山善の生産財関連事業の売上高は前年同期比1.4%増の3332億円。人手不足に対して生産や工場内物流自動化のためのメカトロ機器やマテハン設備が好調。三品産業や物流業向けの協働ロボットを使った自動化ライン提案などを推進。大型の展示商談会を各地で開催し、受注を獲得した。
ミスミは、他社製品も含めた間接材を販売するVONA事業は6.0%増の1797億円。FA事業は14.9%増の1358億円で、中国での通信関連需要の攻略やエコノミーシリーズ、日本ではmeviyなど地域ごとの施策が功を奏した。
因幡電機産業の産業機器事業は、0.5%増の381億44百万円。人手不足にともなう省力化・自動化需要により設備投資は底堅く推移し、第3四半期以降は制御機器の販売が上向くなど増収基調に転じた。
立花エレテックのFAシステム事業は、低圧配電制御機器は堅調だったものの、前年の反動でPLCやACサーボ等が減少し、産業デバイスコンポーネント分野でも在庫調整の影響を受けた。注力しているシステムソリューションビジネスは引き合い案件が増加し大きく伸長した。
RYODENのFAシステム事業は、国内の工作機械・半導体製造装置メーカーの中国市場向けの需要が回復せず、顧客の在庫調整が継続して低調に推移。カナデンとたけびしも在庫調整によりFA機器が低調となった。
明治電機工業は、自動車関連企業の次世代モビリティ開発向けの投資を獲得。また工作機械や産業機械関連企業のデジタル化や自動化、脱炭素向けの生産性向上が進展した。
英和は、化学業界や電力業界の老朽設備の更新需要やデジタル投資需要を取込んだほか、産業用装置・重電設備業界、製造用機械・電気機器業界、建設・プラント業界向けの販売も堅調に推移。造船業界向けの販売も増加した。
八洲産業は、社会インフラに携わる顧客に向けてエンジニアリングとグループ連携を強化し、保守ビジネスやプロセス冷熱ビジネス等の新規事業の創出を強化している。

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