世界の工場で稼働中のロボットは400万台を突破 国際ロボット連盟「ワールドロボティクス2024」レポート

設置台数も3年連続で50万台を突破

国際ロボット連盟によると、2023年に世界中の工場で稼働しているロボットの数は、前年から10%増加の428万1585台となり、400万台を超えて過去最高を更新した。年間設置台数は前年比2%減の54万1302台だったが、3年連続で50万台を超えた。

地域・国別の状況

2023年の設置台数を地域別に見ると、アジア・豪州は38万2000台で世界の72%を占める巨大市場となっている。このうち最も多かったのは中国で27万6288台。世界の年間設置台数の51%を占める。中国では、中国メーカーの国内市場におけるシェアが崇まっており、2023年には47%に達している。中国でのロボットの需要は2024年後半に回復すると見られ、長期的には2027年まで年間平均5~10%の成長を見込んでいる。
日本は4万6106台で、中国に次ぐ2番目。前年比9%減となったが、2022年は5万435台で過去2番目に多かった年であり、国内のロボット需要は引き続き高止まりをキープ。2024年は前年並か割れとなるが、2025年以降は再び成長路線に戻ると見られている。
韓国は3万1444台で、市場は横ばい傾向。インドは最も急速に成長しているアジアの新興経済国の一つであり、2023年も前年比59%増の8510台で過去最高を記録した。自動車業界からの需要は3551台に急増した。
ヨーロッパは9万2393台で過去最高を記録。ヨーロッパでのロボット需要は自動車産業のニアショアリングの傾向の恩恵を受け、スペイン(5053台、31%増)、スロバキア(2174台、48%増)やハンガリー(1657台、31%増)などの小規模市場への自動車産業の投資がリードした。世界5位のドイツは7%増の2万8355台。ヨーロッパで2番目のイタリアは9%減の1万412台。3番目のフランスは13%減の6386台となった。
南北アメリカは、3年連続で5万台を超え、2023年には5万5389台が設置された。
米国は、南北アメリカの68%を占める3万7587台。これは2022年と2018年に次いで3番目に高い数値となった。自動車業界の需要は15%減の1万2421台、金属と機械業界の設置数は8%増加して4171台、電気/電子業界は3900台となった。
カナダは37%増の4311台、メキシコは5837台となっている。

24年に底を打ち、25年以降は成長戻る

今後の世界需要の見通しについては、2024年までに世界経済の低迷は底を打ち、世界のロボット設置台数は54万1000台で横ばいを予想。成長は2025年に加速し、2026年と2027年も続くと見ている。

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