【「テクノドリブン」~技術からはじめよ~①】 技術解決思考でビジネスモデルを革新せよ!!(タナベコンサルティング)

はじめに

コロナショックに伴いDX(デジタルトランスフォーメーション)が急加速し、これまでデジタルへの取り組みに無頓着であった企業も、デジタルなくしては業務を進められない状況になった。2年前はデジタルへの取り組みが“他社との差別化”や“生産性の改善”程度のレベルであったが、今は違う。デジタルを取り入れていないことが、企業競争における敗因と言っても過言ではない状況だ。

本連載では、経営コンサルティングを生業とするタナベコンサルティングが、様々なデジタルテクノロジーをどのようにビジネスモデルに付加するのか、実際の企業の取り組み事例も含めて解説し、対策の方向性などを提言させていただく。

【「テクノドリブン」~技術からはじめよ~②】 技術解決思考で業務生産性を革新せよ!!(タナベコンサルティング)

技術革新を味方につけよ

AIに仕事を奪われる? 堂々と奪ってしまえばいいのだ。

時代はその繰り返しであり、技術革新とともに経済は発展してきた。高度経済成長期に普及が進んだコンバインは、稲作における稲刈りと脱穀の生産性を19倍に引き上げたそうだ。まさに爆発的な生産性改革だ。ただし、裏を返せば、19人分の仕事を1人でできるようになり、18人分の仕事を技術革新が奪ったとも言える。

こんにゃくメーカーA社の例を挙げよう。板こんにゃくを自動で加工・切断する機器を製造した企業でもあるA社は、高い生産技術力でユニークな形のこんにゃくを製造し、その商品力の高さが同社の成長を引き上げていった。しかし、板こんにゃく加工自動化の裏側にはこんな物語があった。

こんにゃく製造業は従来労働集約型で、板こんにゃくは液状化されたものを、木枠を使って固め、必要な形状に人の手でカットする流れが一般的であった。当時はA社も同様に、経営者(創業者)の妻も工場で働き、夏は暑く、冬は寒い環境下で作業をしていた。まだ乳児である子どもを背負って。A社の経営者はその姿を見て、「どうにか楽にしてあげたい」と思い、板こんにゃく製造自動機を開発した。従来よりも生産性を大幅に向上させたことは言うまでもない。

自動化や技術革新の裏側には、このような物語がいくつもある。決して、「雇用を奪おう」という気持ちで開発はしていないはずだ。労働力不足の日本においては、さまざまな産業でAI化・自動化が進めば、働き方改革にも大きく寄与するだろう。

問題解決の思考フローを変える「技術解決思考」とは

「先端技術はあくまでも手段でしょ?」と言われることがある。

確かにその通りではあるが、今後その考えでビジネスを進めていくのは危険だ。成長しているさまざまな先端技術企業の共通点は、「新たな技術を用いて、どの問題を解決するか」を常に考えていることである。

一般的に、日本のビジネスパーソンには「問題解決思考」が備わっており、「課題抽出→原因特定→対策考案」という流れで確実に問題解決できる素晴らしい能力を持っていると言われている。しかし、これからの環境下では、「対策手段→抱えている問題の選定→解決」といった思考フローが必要と思われる。ここでは筆者が提言している造語「テクノドリブン(Technology Driven)」と呼ぶ。

思考の流れを変えるには、まず「先端技術・デジタル技術がどのようなものか」「どこでどのように使われているか」を知る必要がある。技術の基礎知識と応用知識をもとに、「自社の課題解決にどう使えるか」「顧客満足度を高めるにはどこで使えるか」を考えることが成功への近道である。

テクノドリブンでは、1つの対策で複数の問題を解決できるといった特徴がある。例えばユニクロは、RF-ID技術を用いて複数の課題解決を実現し、小売業界にイノベーションを起こしている。具体的にはRF-IDチップを商品タグに埋め込むことで、①店舗の棚卸作業時間の圧倒的短縮、②工場内在庫管理業務の自動化、③店舗のセルフレジ化という3点の課題解決を実現した。ボウリングの1番ピンを倒すがごとく、1投で複数の課題解決を実現しているのである。

「業界にイノベーションを起こす必要がある」「10年後を考えると今のビジネスモデルでは通用しない」と感じているのであれば、まずは最新の先端技術を学ぶべきでないだろうか。誰も答えを教えてはくれないが、不確実な未来で変化を待つのではなく、自ら考え、変化を起こす側に回っていただきたい。

タナベコンサルティングでは、尖端技術研究会という「新たな技術を研究する会」を開催している。そこでは、特定の技術に固執せず、企業のビジネスモデルを変えうる技術やDXのきっかけとなるテクノロジーの基本情報から活用事例までを学んでいる。尚、先端技術でなく「尖端」技術としているのは、ただ単に技術を取り入れるのではなく、尖ったビジネスモデルに活かしていただきたいという思いを込めている。2022年12月に、無料参加が可能な「尖端シンポジウム」の開催を予定している。下記よりご確認いただききたい。

【尖端技術研究会について】

タナベコンサルティング尖端技術研究会主催「尖端シンポジウム」

https://tanabekeiei.hmup.jp/advancedtech_symposium_221212

AIに代表される「破壊的技術」の革新は日進月歩で進んでいる。そうした技術を学び、自社に取り入れながら成長モデルをデザインする戦略・方法について学んでいく。

◆著者プロフィール

株式会社タナベコンサルティング 経営コンサルティング本部 中四国支社長 兼 尖端技術研究会リーダー 森重 裕彰(もりしげ ひろあき)

2017年に尖端技術研究会を立ち上げ、ビジネスに応用できる様々な先端技術を研究し、クライアントの課題解決に繋げている。近年では、RPA導入支援、A.I導入による品質検査省人化などにクライアントとともに挑戦している。
自身の職務経験を生かした現場改善のアドバイスにも定評があり、製造業のクライアントを中心に、経営視点からの具体的な改善策における成功事例を多数持つ。

https://www.tanabekeiei.co.jp/

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