儲かるメーカー改善の急所101項【急所55】製造情報の扱い方

製造情報は、データベース化して流れるようにせよ。

工場の現場では、ホワイトボードに生産計画が書かれていたり、工程ごとに指示書が貼られていたりします。しかしそれが現場のみの活動なのか、データサポートの援助があっての活動であるのかで大きな違いが出ます。

前に作ったことがある製品なのに、まるで初めての作業のようにもたついたりするならデータベース化されていないからだということになります。担当者が「頭の中にすべて記憶しています」というのは無理だと思います。材料や部品、作業方法まで含めて、製造に関する情報をデータ化していなければ、毎回、経験と勘によるあやふやなモノづくりになってしまいます。そして再注文を頂いた時に時間がかかるだけでなく、前と同じでないモノができてしまうこともあり得ます。

K社で実行された改善をご紹介します。K社のFさんとおっしゃる女性設計技師が、ある日の改善会でご自身がやっている気の利いた改善を発表しました。彼女はいろいろなお客さまから来た仕事を製造部門の担当者に割り振る仕事もしていたのですが、その時に以前に実行したよく似た仕事があった場合、その時の図面や実行した仕事のやり方の記録をコピーして添付したところ、とても喜ばれたという改善でした。

それを聞いた社長はすぐに反応し、「その仕事のやり方をこれからの標準にしていこう!」とその場にいた全員に指示し、短時間のうちに仕組化しました。P社には1000社以上もお客さまがいて一品受注なのですが、この仕組みを作ったことであたかも繰り返し生産であるかのようなモノづくりになり生産性を大きく向上させました。

モノの流れを追求するのと同様に、注文が入ったらデータベースから作る量と納期、部材、作り方…などが関係者に滞りなく伝達されるようにできたらいいですね。特に外部と連携を図るためにはデータベース化が重要と考えます。

■著者プロフィール

【略歴】柿内幸夫 1951年東京生まれ。(株)柿内幸夫技術士事務所 所長としてモノづくりの改善を通じて、世界中で実践している。日本経団連の研修講師も務める。経済産業省先進技術マイスター(平成29年度)、柿内幸夫技術士事務所所長 改善コンサルタント、工学博士 技術士(経営工学)、多摩大学ビジネススクール客員教授、慶應義塾大学大学院ビジネススクール(KBS)特別招聘教授(2011~2016)、静岡大学客員教授。著書「カイゼン4.0-スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす」、「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「ちょこっと改善が企業を変える:大きな変革を実現する42のヒント」など。

一般社団法人日本カイゼンプロジェクト

改善の実行を通じて日本をさらに良くすることを目指し、2019年6月に設立。企業間ビジネスのマッチングから問題・課題へのソリューションの提供、新たな技術や素材への情報提供、それらの基礎となる企業間のワイワイガヤガヤなど勉強会、セミナー・ワークショップ、工場見学会、公開カイゼン指導会などを行っている。
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