【灯台】万人がものづくりの担い手になれる技術

さて問題「遽」と「俄」同じ読み方の漢字だが、どう読む?ヒントは「急に、一時的に、当然に」という意味で、源氏物語でも使われていたこともある歴史のある言葉だ。江戸時代から明治時代にかけて宴会の席や路上で素人が行う即興芝居を「俄狂言」と言い、福岡県の博多にはこれにちなんだ煎餅があり、「二○加煎餅」の名で売られている

▼答えは「にわか」。日常会話のなかで使うことは滅多にないが、スポーツや映画、アニメ、ゲームなど大きなブームがあると、古くからいるファンのうち一部の人間が、ブームを機に好きになった人や新参者を指して「にわか」や「にわかファン」と揶揄する時に使っているのをよく聞く。狭量で愚かな人間が使うおかげで悪いイメージがついてしまっている「にわか」だが、ビジネスの視点からすれば、「にわかさん」は好意的なイメージを持って店に入ってきてくれた新規客。既存の売上からプラスアルファを狙える大事なお客様であり、将来的に太くなる可能性もあるもの。大事に育てない手はない。いかに「にわかさん」に優しくなれるかがビジネス拡大のポイントになる

▼FA機器をはじめ、最近の製造業の新製品には共通したキーワードがある。それが「誰でも使える」だ。これまで専門知識と技術のある人向けだった製品が、近ごろはソフトウェアの支援機能などを充実させ、まさに「にわかさん」向けで初心者や未経験者でも使えるようになってきた。製造業やものづくりを支えているのは「技術」だ。しかしそれは、特別な知見を持つ人が使ってより精密さや高速さをもたらすものだけでなく、万人が広く扱えるようにすることもまた優れた技術に違いない。特に世界で人手不足が深刻化するなか、万人が作り手やものづくりの担い手になれる技術は貴重だ。にわかさんを支え、新たなにわかさんを獲得する。そんな技術が必要だ。

NTTデータGSL

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