儲かるメーカー 改善の急所101項

2021年3月17日

〜【急所20】工場を歩くときの視点 ボルトを見たら親の仇と思え。〜

私のコンサルティングの仕事は工場で行われます。作業服を着てほとんど生産の現場にいます。一カ所にずっといることはあまりなく、多くの場合、工程の順番に従って(時には逆の順番の時もありますが)、歩いています。歩いている時にどこを見ているか?ですが、たいていは良い姿勢で前を見て歩くのです。通路がしっかりと確保されていて、モノも直角平行に置かれて出っ張っていなければ衝突事故も起きません。そういう時は安心して前を向いて歩きます。ゴミやモノが一切落ちていなければ、品質問題もまずは起きないでしょう。

しかし床に油がこびりついていて滑ったり、コードが床上にはいつくばっているので引っかかったり、段差があるのでつまずいたり、あるいはモノが落ちていることが多く気になったりという時は目線を下に落として歩きます。良い姿勢ではなく好きではないのですが、危険であったり、品質問題の可能性があったりというのでしたら仕方がありません。

工場で一番落ちていてはならないモノはボルトやナットです。製品に取り付けたモノが緩んで外れたか、組付け忘れたモノが床に転がっているのか、設備や運搬機器の一部が故障して落ちたのか、いずれにしてもボルトが床に転がっているという事実は大問題を意味している可能性が高いのです。

たかがボルト一本どうってことない…とコストで物事を見る会社と、ボルトが落ちている事実から多くの危険な可能性を読み取って対応する会社のどちらがこれからの時代を生き延びるでしょうか?間違いなく後者です。

たかがボルト一本などと甘く見てはいけません。「ボルトを見たら親の仇と思え」の心意気で徹底して原因を究明してください。小さくてほとんどタダといった値段のボルトであっても、もし 商品に混入したらどうなるか…。食品工場であれば会社存亡の危機に直面するかもしれないでしょう。床に何が落ちているか、掃除も大切ですが、落ちていたモノの落ちた原因を考えることはもっと重要です。

日本カイゼンプロジェクト 会長 柿内幸夫

1951年東京生まれ。(株)柿内幸夫技術士事務所 所長としてモノづくりの改善を通じて、世界中で実践している。日本経団連の研修講師も務める。経済産業省先進技術マイスター(平成29年度)、柿内幸夫技術士事務所所長 改善コンサルタント、工学博士 技術士(経営工学)、多摩大学ビジネススクール客員教授、慶應義塾大学大学院ビジネススクール(KBS)特別招聘教授(2011〜2016)、静岡大学客員教授 著書「カイゼン4.0 – スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす」、「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「ちょこっと改善が企業を変える:大きな変革を実現する42のヒント」など

一般社団法人日本カイゼンプロジェクト

改善の実行を通じて日本をさらに良くすることを目指し、2019年6月に設立。企業間ビジネスのマッチングから問題・課題へのソリューションの提供、新たな技術や素材への情報提供、それらの基礎となる企業間のワイワイガヤガヤなど勉強会、セミナー・ワークショップ、工場見学会、公開カイゼン指導会などを行っている。

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