【2021年年頭所感】日本フルードパワー工業会「Society5.0実現に貢献」安藤毅 会長

2021年1月6日

日本フルードパワー工業会 安藤毅 会長

 

新年、あけましておめでとうございます。令和3年の年頭にあたり一言ご挨拶を申し上げます。

昨年1月中旬の新型コロナウイルス報道から早1年が経ちますが、ウイルスの世界的感染拡大が人々の健康と安全を脅かし、各国政府による都市封鎖、移動の制限により、世界経済は未曾有の危機に陥りました。日本でも東京オリンピックの延期、緊急事態宣言の発出と解除、感染の再拡大などコロナウイルスは医療、福祉、教育、雇用、経済等社会全体に甚大な悪影響を及ぼしています。
 
このような中、国内経済については戦後最大の落ち込みとなった4〜6月期の年率換算GDPマイナス28.8%の反動で7〜9月の年率換算GDPは21.4%と高い伸びを記録したものの、コロナ禍以前の水準からは程遠い状況にあります。世界経済については、10月のIMF世界経済見通しでは、「類例のない危機」と表現した6月の見通しから0.5ポイント改善のマイナス4.4%と小幅な上方修正をしています。主要国でプラスを維持するのは中国の1.9%だけで、米国はマイナス4.3%、日本はマイナス5.3%となっています。加えて自国中心主義による貿易摩擦から、技術覇権にテーマを移しつつある米中貿易摩擦の激化が、世界経済に大きな影響を及ぼすことが懸念されています。このような情勢において1月に就任する米国のバイデン次期大統領の手腕に世界中が注目しています。
 
コロナ禍により、フルードパワー業界も極めて厳しい状況にあり、10月時点では、2020年度の油圧機器出荷予想額は建設機械部門の落ち込等により前年比マイナス13.9%の3259億円、一方で空気圧機器出荷予想額は中国向け輸出等の回復により、対前年比1.6%増の4222億円を予測しています。
 
わが国では感染拡大防止と経済活動再開の両立に向け、テレワーク、遠隔医療、遠隔学習、時短操業などさまざまな施策が導入されましたが、同時にリスク対策としてのわが国の経済社会システムの脆弱性も浮き彫りとなりました。
 
「ウィズ・コロナ」そして「アフター・コロナ」のニューノーマルな社会に適応すべく、菅新政権によるデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速、規制改革、地域経済の活性化、エネルギー環境政策の推進、働き方改革の推進、国際経済秩序の再構築等の推進が期待されています。特にデジタル化については、デジタル庁の設置をはじめとするDXの社会実装を通じて、経済発展と社会的課題の解決を両立する“人間中心の創造社会”である「Society5.0」の実現に向けた社会変革を成し遂げ、SDGs(持続可能な開発目標)の達成につなげていくことが喫緊の課題となっております。工業会の会員企業を含めて多数の日本企業がSociety5.0 forSDGs実現に向け取り組んでおり、工業会としてもSociety5.0の実現に貢献すべく、最新の国際情勢、業界動向、新技術への対応支援、人材育成強化など、会員企業各位の求める情報の収集と発信に努めております。しかしながら、感染防止に向け委員会、部会活動もWeb形式によるものが多くなり皆様にご迷惑をおかけしているところでございますが、ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。

最後になりましたが、フルードパワー工業会と皆様方の益々のご発展ならびに輝かしいオリンピックイヤーとなることを祈念しまして、私の年頭の挨拶とさせていただきます。