日本半導体製造装置協会 牛田一雄 会長
謹んで新年のお慶びを申し上げます。旧年中は当協会の活動にひとかたならぬご協力をいただき、心から感謝申し上げます。
昨年より新型コロナウイルス感染症の流行や米中貿易摩擦など、世界経済として不確実性が高い状態が続いていますが、半導体製造装置の市場環境としてはテレワークや巣ごもり需要の増大、5G通信の本格実用化に向けて、設備投資が好調です。データトラフィックの増加に伴うデータセンター向け需要や5G需要拡大は、しばらく半導体を牽引してゆくものと期待しています。
FPD製造装置は、お客様の工場立ち上げ時期に新型コロナウイルスの感染が直撃しました。装置需要の8割を占める中国への渡航制限継続の影響で主要装置の本格立ち上げには遅れが残っています。しかしITパネルの需要は強く、昨年から遅延していた案件の収益化も見込めます。
このような状況をうけ、当協会では本年の日本製の半導体製造装置の成長率は上昇、FPD製造装置についても大きな落ち込みはないと予想しています。
さて、SEAJでも最近の活動は新常態に合わせた変革を進めています。従来から重視している「海外へのビジネス展開を視野に入れた安全教育の支援」と「将来の業界を担う人材へのアピール」は、新しい手法を取り入れながら維持・強化しています。
安全教育については実技を伴う講習はオンライン化に一層の工夫が必要な状況ですが、近年多言語で作成した教育用DVDはこのような状況下でもご活用いただけるものと思います。
人材育成や学生への業界アピールとしては、大学向けの業界研究セミナーを昨年度の2倍の4校で開催しました。一方的な情報発信にとどまらず、オンラインながら会員企業の若手技術者と学生が仮想の部屋に分かれて直接対話できる時間も設け、企業と学生双方に好評でした。SEAJとしては業界と学生をつなぐ機会を引き続き増やしたいと考えています。
また、困難な状況の中でご尽力されている医療関係者に深い感謝を示すため、昨年の早い段階で、日本医師会、日本看護協会、東京都医師会の3団体に寄付を行いました。
SEAJは、本年も半導体・FPD製造装置業界の発展への寄与はもとより、社会に対しても貢献できる団体を目指して活動してゆきたいと思います。
最後に、皆様のますますのご発展とご活躍を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。