【2021年年頭所感】日本工作機械工業会「変化に対処し業界の発展へ」飯村幸生 会長

2021年1月6日

日本工作機械工業会 飯村幸生 会長

 

2021年の新春を迎え、謹んで年頭の御祝詞を申し上げます。

さて、昨年を振り返りますと、米中対立の激化や世界的な新型コロナウイルスの感染拡大によって、国際情勢は、政治・経済両面にわたり極めて厳しくかつ不確実な様相を呈した一年となりました。世界各国の経済活動は4-6月期を底に徐々に回復に向かいましたが、その中で中国ではインフラ投資や半導体関連の他、自動車などの設備投資が比較的早期に立ち上がりました。一方、欧米・日本の設備投資は緩やかな持ち直しの動きが続き、年初の想定を大きく下回る水準で推移しました。この結果、2020年の受注総額は、2010年以来10年ぶりに1兆円を下回る見通しです。

このような状況の中、当会では昨年11月に「JIMTOF2020 Online」を開催致しました。JIMTOFのWEB開催は初の試みとなりましたが、世界9カ国・地域から約400社に出展頂き、日本が誇る世界最先端の工作機械技術・製品を世界に向けて発信致しました。学生諸君に工作機械産業の魅力を伝える工作機械トップセミナーをオンラインで開催したほか、時流に沿った講演も併催し、参加された多くの方からご好評を得ました。

本年についても、新型コロナウイルス感染症の終息や米中対立の行方など、先行きの不透明感を抱えた状況は暫く続いていくと思われます。

そのような最中にあっても、AIの進化、5Gの普及に伴う高速・大容量通信によるDX活用やロボット技術との融合による省人化技術により、生産技術革新が加速して参ります。また、自動車産業ではCASE、MaaSへのシフトが進展しております。加えまして全世界的に、地球環境に関する規制が強化されており、製造業にはライフ・サイクル・アセスメントやカーボンフットプリントへの対応が求められております。コロナ禍で産業構造の転換が促され、自動化・見える化・リモート化のニーズ実現を可能にするデジタル変革(DX)により、非対面・非接触型のビジネスモデルの構築が進展していくと見込まれます。日本の工作機械産業はこれらの変化に柔軟に対処し、あらゆる技術を進化・発展させて世界の製造業の発展に貢献して参ります。

当会は、本年12月1日に創立70周年を迎えます。70周年に向けて、業界一丸となって「工作機械産業ビジョン2030(仮称)」の策定、「70周年誌」の編纂作業を進めて参ります。

関係各位には当工業会の事業に対する一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。

本年が皆様にとって更なる飛躍の年となることを祈念致しまして、年頭のご挨拶とさせて頂きます。