製造業・世界と戦う担い手づくり エキスパート待望 (43)

2020年8月5日

若手技術者が時間感覚を身に付けていない

会議の議題と時間配分を明確化

 

若手技術者が時間感覚を身に付けていないという悩みについて考えてみます。

そのような時には、「会議、打ち合わせ、ミーティングの議題とそれぞれの時間を明確化させる」ということを心掛けてください。

技術者によくみられる性格として、全体の時間軸を見失うというものがあります。目の前の仕事に夢中になり、その仕事のアウトプットに対する時間軸の情報が抜けてしまうのです。このような時間感覚は経験を積み重ねることで改善されていきますが、特に早い段階で時間感覚を身に付けさせる優れた題材として挙げられるのが、会議、打ち合わせ、ミーティングの取り組み方です。

 

いろいろな企業の状況を見ていますが、実は会議や打ち合わせの進め方に難点があることが非常に多いです。その典型例が、「議題の事前共有と時間配分に関する情報共有がなされていない」ということです。

議題は、「何人かの人間が集まって何を話すのか」ということを明確化させるものであり、言ってしまえば「会議、打ち合わせ、ミーティングの目的を明確化させるもの」と同等といえます。そして何より、「それぞれの議題に対し、どのくらいの時間をかけて良いのか」ということを意識することは、時間感覚を身に付けさせるために極めて重要な内容といえます。

時間感覚という緊張感をもって議題に対して一つ一つ取り組むことは、結果的に時間感覚を身に付けさせるための最短の方法となります。そしてこのタイムキーパーを若手技術者にやらせることでさらにその感覚が研ぎ澄まされていくでしょう。それぞれの議題の時間をオーバーした際、時間が過ぎた旨を出席者に周知し、その議題をきちんとクローズさせる。そして、時間が押した場合、どのようにしてその場をコントロールしていくのか。上記のような経験を若いうちに積み重ねることが、その後の飛躍に直結することとなります。

日々の時間を使う業務だからこそ、ぜひ時間を強く意識した話をするよう心掛けてください。

 

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◆吉田州一郎(よしだしゅういちろう)
FRP Consultant 株式会社 代表取締役社長、福井大学非常勤講師。FRP(繊維強化プラスチック)を用いた製品の技術的課題解決、該関連業界への参入を検討、ならびに該業界での事業拡大を検討する企業をサポートする技術コンサルティング企業代表。現在も国内外の研究開発最前線で先導、指示するなど、評論家ではない実践力を重視。複数の海外ジャーナルにFull paperを掲載させた高い専門性に裏付けられた技術サポートには定評がある。