アフターコロナのものづくりを議論、日独の有識者が会合

2020年7月15日

連携しデジタル化推進を

ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会(RRI)とドイツPlattform Industrie4.0、ドイツ工学アカデミー(acatech)は、日独有識者会合「アフターコロナの世界におけるものづくり」を行い共同宣言を発表した。

宣言では、持続可能で回復力のある経済と社会の実現と、それに向けたサプライチェーン、価値ネットワークなどの議論の必要性、お互いの異なる視野を取り入れながら取り組むとし、日独連携を強化していくことを確認した。

 

会合は5月28日にWEB会議で行われ、アフターコロナの世界に向けたものづくりの課題と方針について意見交換をし、ものづくりはテレワークができないのでコロナ禍の対応ができないと言われているがそれは本当か、解決に向けた社会課題が潜んでいないかなどを話し合った。

コロナ禍によってオートメーションと高度なデジタル化が加速するかどうかについて、両国はデジタル化が全般的に強化される点で合意したが、度合いや適用の考え方については日独で差が出た。

日本は「人の作業を機械に置き換えていく考え方」があり、ドイツは「人の作業を機械に置き換えるよりも製造プロセスを中心にした考え方」、エンジニアリングプロセスの自動化や人と機械のコラボレーションなどのデジタルツールが人の活動をサポートしていくと考えている。

 

危機耐性高め構造改革推進

さらにドイツからはデジタルツインの潜在能力を最大限に活用するためのサプライヤーや顧客間でのデータの共有の重要性が提起された。コロナ禍で既存のバリューチェーンが破壊され、脆弱さと透明性が欠けているかが明らかになり、既存の標準とセキュリティメカニズムに基づいた共有デジタルツインがより透明で機敏性のある経済的な製造プロセスを可能とすると指摘した。

またドイツからモデルベースデジタルプロダクト、デジタルプロダクション、デジタルバリューチェーンが今後の世界を形作る上で大事な考え方だと主張し、それに対し日本は、AIやAR/VR、ロボティクスなど適用できそうな要素技術はそろっており、技術的には可能である。論点はそれをどう社会に実装していくか、人々の意識をいかに変えていくか、システムデザインが非常に大事になると述べた。

ゴールはアフターコロナではなく、危機への耐性を高めた「WITHコロナ」だとし、過去のパンデミックでは経済回復には3~9年を要しており、私たちはデジタル技術を用いて、社会の仕組みをその前提で早急に作り変える構造改革を加速しなければならないと合議した。

 

声明で3点強調

こうした議論を経て、共同声明では、①社会のデジタルトランスフォーメーションによって、「コスト競争力のある」パラダイムの時代から、「付加価値とリスク競争力のある」パラダイムの新しい時代へと変革を加速し、持続可能で回復力のある経済と社会の実現を目指さなければならない ②そのためには、新たな時代における、製品、生産、サービス、価値ネットワーク、サプライチェーン、システム、社会の設計の方針を国際的に議論し作成する必要がある ③実際の設計においては、日本とドイツの違いだけでなく、企業のニーズの違いにも考慮しながら考えていく必要がある。私たちはそれぞれの技術における異なる視野を取り入れることで、新しい先進的な洞察とソリューションをもたらすことができると考える、とまとめた。