基礎から学ぶ中国工場管理〜実例で学ぶ管理のポイント〜 (38)

2020年2月26日

生産委託先・外注先の品質改善指導②

キーマン押さえ信頼関係築く

 

1.中国企業に対してどのように臨めばよいか

前回の記事では、中国企業に対して日系企業と同じ感覚で臨むのは無理です。違いがあることを認識して、会社でその認識を共有しましょうと書きました。その続きです。

 

(2)中国企業にいかに対応してもらうか

自社工場の場合、自分たちが頑張れば改善は前に進めることができます。ところが、外注先の改善は、先方に動いてもらって、対応してもらって初めて前に進みます。ですから、いかに先方に対応してもらうかを考えなくてはなりません。

①諦めないで要求し続ける

わたしは中国駐在員時代、購入部材の品質管理責任者をやっていました。その関係で日系中国工場で品管を担当している日本人と話す機会が多くありました。中には、いくら言っても中国企業が改善しないので、諦めてしまっている人もいました。

しかし、諦めてしまってはダメです。先方が対応しないからといって言うのを止めた場合、中国企業は「お客が何も言わないということは、お客は今の品質で満足している」、このように考えます。例え改善が進まなくても品質に満足していない、不満があるなら言い続ける、要求し続けなくてはいけません。そして、少しでも改善してもらうようにしなくてはなりません。

 

②先方の誰と話をするのか

品質改善を進めるには、こちらからさまざまな要求や依頼をすることになります。こうした要求や依頼をするときに先方の誰に対して言うのかが重要となります。外注先の中で力のある人、権限のある人と話をする、交渉する必要があります。要は、先方のキーマンを押さえることです。

実際に対策をするのは現場のスタッフであっても、打ち合わせには現場の責任者クラスを交えて行います。その責任者から現場スタッフに実施の指示をさせることがポイントです。

一番いいのは、総経理と事前に話をして、改善に対する理解を得て、こちらの要求事項に協力するように総経理から現場の責任者に指示してもらっておくとスムーズに事が運びます。

 

③信頼関係を築く

信頼関係を築くことを意識してください。購入量が少なくても継続して取引しているのであれば、なおさらこれが大事です。

先方のキーマンを押さえると言いましたが、逆に言えば、こちらも即断即決できる人でないとダメだと言うことです。「日本の本社に持ち帰って検討する」では、相手からすればこの人と話しても「何も決まらない、意味がない」となって信頼関係は築けません。

信頼関係は一朝一夕では築けるものではなく長い時間かけて培うものです。中国の人とのビジネスにおいては、相手の面子を立てることも必要ですが、一度信頼関係を築ければ、品質や納期などで問題を起こしたときに、こちらの面子を潰すなと言うこともできます。中国の人の面子を重んじる気質を逆手に取るわけです。

 

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◆根本 隆吉
KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント。電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導および品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走。著書に「こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善〈虎の巻〉」(日刊工業新聞社)など。