【2020年年頭所感】日本工作機械工業会「世界の製造業発展へ貢献を」飯村幸生 会長

日本工作機械工業会 飯村幸生 会長

 

2020年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。

昨年2019年の世界情勢を振り返りますと、米中関係悪化の長期化、Brexit問題、中東・アジアをはじめ世界各地での地政学的リスクの顕在化などにより、政治・経済両面で不安定感が増し、不確実性が強まった1年でした。こうした中にあって、我が国工作機械業界の受注は、内外需ともに、一般機械、自動車、電気機械など主要業種で年初の想定を下回る水準で推移しました。

本年につきましても、国際政治・社会情勢等における外部的リスク要因が内在しており、製造業を巡る環境には不透明・不確実性が付きまとう状況が続いていくと思われます。しかしながら、製造業はあらゆる分野において新時代への変化が加速しており、生産技術革新のニーズがいずれ設備投資として顕在化されることが期待されます。

製造業におけるIoTを駆使した技術革新は、5Gの普及につれ更に加速していくと考えられます。また、自動車業界におけるCASEやMaaSといったキーワードに象徴される電動化、自動化、サービス化といった潮流は、サプライチェーンに影響を与えていくと見込まれます。同時に多くの国では製造業における人材不足の問題を抱えており、省人化技術の高度化が求められております。

日本の工作機械産業はIoTを活用したスマート・マニュファクチャリング技術、AI(人工知能)技術、三次元積層造形技術、少子高齢化時代に適応した自動化技術、ターンキー技術など、あらゆる技術を進化・発展させて、世界の製造業の発展に貢献して参ります。

東京オリンピック・パラリンピック後に、本年12月7日から12日まで開催致しますJIMTOF・Tokyo2020では、ユーザーの皆様に世界最先端の工作機械技術・製品を発信させて頂きます。また、全国から学生を招待して工作機械産業の意義や役割りを講義する「工作機械トップセミナー」の開催や企画展示を通じて、工作機械産業の魅力を社会にお伝えさせて頂きます。ぜひご来場頂きたいと存じます。

日工会は、本年につきましても、産学官連携の強化、標準化戦略の強化、JIMTOFの求心力の強化、人材確保・周知策の強化等、業界に共通する課題への取り組みを推進して参ります。

2021年の創立70周年に向け、2020年代の戦略策定や過去の業界活動を振り返る年誌編纂作業についても、鋭意検討を進めて参ります。

関係各位には当工業会の事業に対する一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。

本年が皆様にとって更なる飛躍の年となることを祈念致しまして、年頭のご挨拶とさせて頂きます。

 
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