KEBA Japan 村上社長に聞く「設計開発の効率化を支援」

2019年8月28日

オーストリア発 OEM100% 縁の下の力持ち

KEBAは1968年創業のオーストリアの制御機器メーカー。PLCやHMI、産業用PCのポートフォリオを構え、日本を含む世界11カ国に展開し、グローバル従業員数は1750人を超える大手企業だ。

そのビジネスはほぼ100%がOEMで、海外の大手機械メーカーのほか、日本企業も多く名を連ねる。

同社のビジネスについて日本法人KEBA Japan 村上正和代表取締役社長に聞いた。

KEBA Japan 村上正和 代表取締役社長

 

1968年オーストリアで創業 世界11カ国で展開

同社は1968年にオーストリアのリンツで創業。各種機械の自動化・制御系の開発からスタートし、産業機器の自動化を実現する「インダストリアルオートメーション」と、キャッシュディスペンサやATMなど銀行用機械の設計開発から製造まで一貫して行う「バンキングオートメーション」を主力事業とし、宅配ボックスなどロジスティクス事業、EV充電器なども手掛けている。

日本法人は2011年から活動をスタートし、インダストリアルオートメーションを展開している。

 

射出成形機、ロボット・自動機など向け制御プラットフォーム

インダストリアルオートメーションは、機器としてPLCやHMIなどを扱っているが、汎用的で全方位的な大手の制御機器メーカーとは異なり、射出成形機と包装機械、ロボット・自動機にターゲットを絞り、ソフトウエアと制御プラットフォーム、ハードウエアといった制御基盤ソリューションを提供。設計者不足で困っている機械メーカーの設計効率化の支援を行っている。

欧州や中国のメーカーではこうした仕組みの利用に積極的で、同社は世界の射出成形機向け制御機器市場では20%のシェアを獲得している。ロボットに関しても、既存のロボットメーカーに加え、大手企業の生産技術部門やロボットシステムインテグレーター、エンジニアリング会社、ロボット開発スタートアップ企業など、自社で独自の自動機やロボットを設計開発するメーカーが増えている。

同社はロボットにも同様の仕組みを提供するほか、ロボットの操作パネル(ティーチングペンダント)では大手ロボットメーカーの多くがOEMで提供を受けている。

村上社長は「当社は射出成形機とロボットの制御の基本的な部分、いわゆる非競争領域の土台を提供する。メーカーはそれを使って空いたリソースで差別化や強みとなる機能の開発に注力できる。日本は昔から全てを自社で開発する気風があり、各社独自のものが林立している。より設計を効率化し、よい製品を開発するためにも、やるべきところに力を注げる環境を手に入れてほしい」という。

 

メーカーの製品開発と設計効率化を支援

ハードウエアの新製品として、ワイヤレス操作パネル「KeTop T150 wireless」を来年度に発売予定。通常、操作パネルは機械1台に対して1機が標準で取り付けられているが、同製品は機械とペアリングするとその機械の操作パネルになり、それを解除して別の機械にペアリングを切り替えるとその機械の操作パネルになるという画期的な製品だ。機械の設定や操作に加え、タブレットとして機械やラインの稼働状態の監視などもできる。

新製品のワイヤレス操作パネル

また同社は安全コントローラ「KeSafe」もラインアップ。機械・ロボット制御に加え、SIL3準拠の安全ソリューションもそろえることで安全に制御できる自動化システム構築も可能だ。

村上社長は「ヨーロッパにはラインビルダーという業態があり、生産ラインを作る専門企業が大手から中小まで数多くいる。そこでは自分たちでロボットや自動機を組み上げてビジネスをしている。日本でも似たような企業はあるが、そこまでの規模にはなっていない。当社はそうした企業に向け、便利な仕組みと製品を提供していく」としている。