基礎から学ぶ中国工場管理〜実例で学ぶ管理のポイント〜 (23)

2019年5月15日

中国工場での品質管理の進め方 ~品質管理3つの歯車~①

教育された管理者の存在がカギ

中国工場での品質管理の進め方
一、中国工場品質管理3つの歯車

品質管理に関しては、いろいろな考え方や進め方があると思いますが、ここでは3つの歯車を例えとして考えることにします。

歯車にはそれぞれ役割・機能があり、おのおのの歯車がその持っている役割を果たすこと、つまり自分の歯車を回すことによって動力を次の歯車に伝え回します。そして、次の歯車も自分が回ることによって、さらに先の歯車を回すようにします。このように歯車がかみあって進み、全体を回すというイメージです。

 

①第1の歯車

第1の歯車に求められることは、前回まで書いていた生産の3要素(3M)の内容です。ただし、人(Man)については経営層を対象とします。経営層(総経理・工場長)がしっかりした考え方や方針、そして工場をよくするという意志をもつことが大事です。以前書いたように、中国工場の良しあしはトップの方針・考え方で決まるからです。

設備(Machine)や部材(Material)に関しても同様に前回まで書いた問題点の有無を把握し対処しておくことが必要です。ここではこれらに加えて、工場を回すための仕組みやルールを構築することも必要なポイントとなります。

 

②第2の歯車

第2の歯車では、管理者がちゃんと教育されていることがカギとなります。いくら第1の歯車の項目である設備や材料、工場の仕組みやルールが整備されていたとしても実際に現場で運用/管理するのは、科長や班長・組長などの管理者です。

したがって、この管理者たちの意識やスキルレベルが低い状態では、整備された3Mや仕組み・ルールが生かされないことになります。管理者たちのレベルが高く維持されていることが必要であり、それには管理者がきちんと教育されていることが必要になります。

3Mの管理者のところでも述べましたが、班長・組長になったからといって自然に班長・組長の仕事ができるようになるわけではありません。班長・組長として会社が望んでいる管理をしてほしいのであれば、それができるように教育をしなければなりません。管理者たちができる仕事の範囲は、会社が彼ら彼女らに教育した範囲であることをもう一度認識してください。

 

③第3の歯車

第3の歯車は、作業者の意識を向上させることがポイントです。どんなに立派なハードを備えていても、完璧な作業手順書があったとしても作業者の意識が低ければ宝の持ち腐れになってしまいます。つまり、作業や検査をするのは作業者であり検査員なのですから、この人たちの意識を少しでも高めることが求められているのです。

作業者の意識向上(わたしは、これを意識付けと呼んでいます)は、以前の記事で書いたように「自分の仕事(作業、検査)の重要性を認識させることが重要です。こうした意識付けは、教育された班長から落とし込んでもらうのが理想です。

 

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◆根本隆吉
KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント。電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導および品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走。著書に「こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善〈虎の巻〉」(日刊工業新聞社)など。