【2019年 年頭所感】日本食品機械工業会、食生活の安定的向上へ全力

日本食品機械工業会 会長 海内 栄一

皆様明けましておめでとうございます。2019年、平成最後の新春を迎え、心からお慶び申し上げます。

さて、昨年は大阪府北部地震や異常気象による大雨など、自然災害が相次いで発生し、多数の方々が被災され尊い命が失われました。亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに被災された方々にお見舞いと一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

昨年の国内景気については、好調な企業業績を背景に設備投資は堅調で個人消費も回復に転じるなど明るい兆しも見え始めましたが、本年は10月から消費税率の引き上げが予定されており、個人消費の減速、企業収益の悪化が懸念されるなど、国内景気の動向は予断を許さない状況にあります。

国外の情勢では、欧米を中心に世界経済の景気拡大が続いていますが、トランプ大統領が掲げる極端なアメリカ・ファースト政策は世界経済の大きなリスク要因となっております。

一方、米国を除く11カ国による環太平洋経済連携協定「TPP11」が、昨年12月30日に発効され、世界の国内総生産(GDP)の13%を占める巨大な自由貿易圏が動き出します。今後の行方には十分な関心を持つ必要があるでしょう。

こうした国内外の動向の中、我が国食品機械の昨年の販売額は、機種によって異なるものの全体では前年を若干上回る見込みですが、今後の企業経営に関しては多くの会員の方々が厳しい見解を持っておられます。

食品業界では、食品の安全性の担保、深刻化する人手不足、低価格化、多様化する消費者ニーズ、環境対策、少子高齢化に伴う国内市場の縮小など、どれをとっても重大な課題を抱えております。

また 私ども食品機械業界を取り巻く環境をみますと、昨年6月に食品衛生法が改正され、HACCPの義務化、ポジティブリスト制の導入など、これまで以上に食の安全性が厳しく追及される時代になりました。

また、食品業界においても人手不足の打開策の一つとして、食品製造現場の自動化・省人化が火急の課題となっています。近年、ロボットの食品産業への導入、IOT技術の援用などの言葉を耳にしますが、食品機械は元々自動化技術のノウハウのかたまりであり、ユーザー業界の課題解決に大きく貢献できるものと確信しております。

この困難な状況も食品機械が解決すべき重要な課題と位置づけ、業界のさらなる発展の契機として、ユーザーニーズにお応えできるような提案を行っていきたいと考えております。

当工業会では、食品機械の安全・衛生化の推進、国際化への対応、人材の育成などに積極的に取り組み、ユーザー業界の期待に応えて参る所存であります。

本年は7月9日から四日間「食の技術のニッポン力(りょく)」のキャッチフレーズのもと「FOOMA JAPAN 2019」を開催いたします。2019年、2020年は東京オリンピック・パラリンピックの準備および開催のため、FOOMA JAPANは従来の東京ビッグサイト東展示棟から会場を変更して実施いたします。

42回目を迎えるFOOMA JAPAN 2019は、東京ビッグサイト西展示棟1~4ホール及び新設の南展示棟1~4ホールを使用して開催いたします。「食の安全・安心」を中心課題としつつ、生産性向上や高効率化のための技術、自動化、省人化を図るロボット技術など最先端のテクノロジーと最新鋭の製品やシステムの展示を通じて、日本経済活性化の一助となればと考えております。

当工業会は業界一丸となって、引き続き食品機械工業の発展と食品製造の効率化を目指し、食品製造業の皆様と共に国民の食生活の安定的向上のため全力で職責を全うする所存であります。

本年も当工業会に対する皆様方のより一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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