基礎から学ぶ中国工場管理〜実例で学ぶ管理のポイント〜 (13)

品質管理-中国工場の品質がよくないのはなぜか-(その1)
中国工場の問題点を生産の3要素で捉える①

作業の単純・標準化が必要

このシリーズから中国工場の品質管理について書くことにいたします。

中国工場に生産を移管したときにどの企業でも直面するのが品質問題です。日本で問題なく生産していたものでも、中国生産では簡単には同じ品質になりません。

中国工場の品質が悪いのはなぜか、問題点は何かを考えるとさまざまな要因が浮かんできますが、ただ考えていてもまとまるものではありません。このようなときはある切り口をもって考えると漏れなくダブりなくまとめることができます。そこでわたしは生産の3要素(3M)を切り口として中国工場の問題点を考えました。

 

生産の3要素とは、みなさんご存じの通り、人(Man)・機械(Machine)・材料(Material)のことです。この3M、それぞれについて見ていきます。

Man(人)

人についてもひとくくりにして考えるのではなく、階層ごとに区分して考えていく必要があります。その区分とそれぞれの階層が持っている問題点/特徴を表にまとめました。

今回は、作業者について詳しく見ていくことにします。

 

作業者

中国の作業者に対して作業のやり方や品質管理の知識などを教えるときは、小学生に教えるつもりでやることがポイントです。それくらい何も知らない子たちと認識しておく必要があるのです。

このような話をすると中国経験者は「そんなことはわかっている」と言うのですが、頭で理解していても実際の行動がそれを前提としたものになっていないことが多々見られます。よく見かけるのが、「知らないといってもこれくらいは知っているだろう」とか「これくらいはわかるだろう」と思ってしまうことです。

中国人作業者は、日本人が考えているよりも何も知りません。知らないこと、教えられていないことはできないので、やってほしいことはきちんと教える必要があるということです。実はこの点は、管理者でも同じです。

 

日本の工場の場合は、長年生産をしてきたこともあり、男性でも女性でもある程度の経験を持っています。そんな人たちは、きちんと説明をすれば内容を理解し、こちらの意図通りにやってくれます。新人が入ってきても、ベテランがきちんと教え面倒を見ることができます。

中国で工場を立ち上げて、日本と同じようなつもりで作業者を考えてはいけません。1回の説明でこちらの意図を理解してくれるとは考えないことです。何回も確認をしながら繰り返し説明することが大事です。

中国人作業者に対して、こうしたことを意識している日系企業でも、小学生レベルまで落とした教育にはなっていないことが多々あるようです。そうした日系企業では、高校生レベルと考えて失敗をしています。

 

このような作業者たちに作業をやってもらうときは、基本的な考え方として「作業を単純化して標準化する」ことが必要です。そしてマニュアルを整備してマニュアル通りに、同じ作業は同じ手順でやってもらうこと。また、可能な限り熟練作業を必要ないようにしたいですね。ただし、工場の中ではどうしても熟練を必要とする作業が存在しますが、できる限りその範囲を限定したいものです。

次回は、ある日系中国工場がトライした従来型の作業からの転換について紹介します。

 

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◆根本隆吉
KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント。電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導および品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走。著書に「こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善〈虎の巻〉」(日刊工業新聞社)など

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