■悪徳システムインテグレーター(SI)が増加する日本!! 国や顧客は厳しい目で対応するべき!<上> 圧倒的に優位な立場のSI

増加する悪徳SI

現在、産業用ロボットの受注額が増加しているというニュースを目にします。しかし、企業のロボットが増えれば、生産効率が上がるかというと、日本の現状はそうではありません。

顧客(エンドユーザ)の事を第一に考えてくれる優秀なシステムインテグレーター(SI)が多く存在してこそ、生産効率が上がるのですが、残念ながら悪徳SIが増加しているのが今の日本の現状です。

悪徳SIの一例

私の会社は産業用ロボットのティーチングソフトの販売・サポートだけでなくコンサルタントも行っているために、全国の顧客からSIに関してさまざまな事を見聞きいたします。先日も広島の大手顧客にお伺いした時の事です。購買の担当者から「実は愛知県の某SIからロボットのシステムを購入し、サポートも任せているのですが、ランニングコストがあまりに高額で困っている」と悩みを打ち明けられました。詳しくお聞きすると、「ロボットの導入後の、某SIのティーチングマンの工数が多すぎてランニングコストが高額」「よって、そのSIに『もう少し工数を削減できるように工夫をできないか?』と聞いても『工数がかかることは仕方ないこと。工夫のやり方は無い』という返事しか返ってこない」との事でした。

この問題は、ランニングコストが高額なだけでなく、某SIのティーチングはロボットでの生産を止めて行っているので、顧客としてはせっかくロボットシステムを導入したのに最も重要な費用対効果や生産効率が全く上がらないという事です。

私の前回の記事でも申し上げましたが、ソフトで工夫をすれば、ティーチングだけでなく設計などの工数もかなり削減できるので、ランニングコストを大幅に削減する事ができます。その証拠として、この顧客のロボットを弊社ソフトでティーチングして実際にロボットを動かすと、多くの社員たちが「すげー! こんなに短時間でできるのか!」と驚かれていました。そして、この顧客から「今後のロボットシステムはぜひ、富士ロボットさんのお勧めのSIにお願いしたい」と言われた事は言うまでもありません。

SIが本来の働きをしていない

そもそも企業がロボットシステムを導入する理由は省人化と生産効率アップです。国も生産効率アップになることにより、多くの社員の給料が上がりデフレ脱却となることを望んでいます。

そのために国の予算が補助金などでSIを育てるために使われていますが、誠に残念なことにこのような悪徳のSIの増加により、省人化と生産効率アップがまったく実現できていない事を私は全国の顧客から見聞きしております。

悪徳のSIが増加する理由

前回の記事でも申し上げましたがティーチングマンの値段が現在高騰しております。経験7年ほどのティーチングマンを1カ月間派遣すると250万円がもうかるので、SIにとってもティーチングマンの派遣は非常に「おいしい」商売です。さらに原価もゼロ円ですので、利益率100%になります。この「おいしい」商売を手放したくないがゆえに、顧客から「ソフトなどで、工夫できないか?」と聞かれても、良いソフトの導入に前向きではないSIが多数存在します。

顧客のことを第一に考えないSIから別のSIに切り替えれば良いのでは、と思われるかもしれませんが、できないというのが現実です。先ほどの例でも顧客の担当者が「導入したロボットシステムの中身を全部知っているのは、某SIだけなので今更他のSIにはお願いしづらい」との事でした。

まさにその通りで、ロボットのシステムは、ロボットとその周辺機器をただつなげているわけでなく、顧客が望む作業をロボットが行うように、さまざまなセッティングやプログラミングを行う必要があります。

これを行うにはロボットや周辺機器の知識や、さまざまな経験で得たノウハウが必須なので、顧客はSIに任せるというのがほとんどの現状です。このセッティングを顧客自身が行う事もありますが、このノウハウを得るためにはかなりの工数を要します。

よって、一度ロボットシステムをお願いしたSIから別のSIに切り替える事は、大規模なシステムほど難しいのです。圧倒的に優位なSIの立場が、このような悪徳SIが増加する大きな理由のひとつです。(続く)

◆山下夏樹(やましたなつき)
富士ロボット株式会社(http://www.fuji-robot.com/)代表取締役。1973年生まれ。産業用ロボットコンサルタント。サーボモータ6つを使って1からロボットを作成した経歴を持つ。自社のオフラインティーチングソフトでさまざまな現場で産業用ロボットのティーチング工数を10分の1にするなど、生産効率UPを実現してきた。さまざまな現場での問題解決の方法を知る、産業用ロボットの導入のプロ。コンサルタントは「とりあえず無償相談から」の窓口を設けている。

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