TECHNO-FRONTIER 2018 4月18日~20日 幕張メッセ エレクトロニクスの最新技術一堂に

400超す企業・団体が出展

メカトロニクスやエレクトロニクスと、それらに関連する専門領域の最新技術と製品が一堂に会する「TECHNO-FRONTIER(テクノフロンティア)2018」(主催=日本能率協会)が、4月18日(水)~20日(金)の3日間、幕張メッセ(4~6ホール)で開催される。9つの専門展示会で構成され、400以上の企業・団体が出展。3万2000人の来場が見込まれている。業界の最新動向がわかる特別講演会や出展者セミナーも開催され、経営者や研究開発、設計、生産、製造に関わるエンジニアが毎回多く来場。また、併催で「第4回国際ドローン展」「第3回駅と空港の設備機器展」「第3回バス車輌と運行システム展」「第1回パーキングシステム・設備展」も7ホールで開かれる。入場料は3000円(Web事前登録者、招待状持参者、官庁・地方公共団体、学生は無料)。

 

モーション、熱対策など9展

「TECHNO-FRONTIER2018」は、「第36回モータ技術展」「第27回モーション・エンジニアリング展」「第11回メカトロニクス技術展」「第2回機械部品・加工技術展」「第33回電源システム展」「第10回エコパワーソリューション展」「第31回EMC・ノイズ対策技術展」「第20回熱設計・対策技術展」と、初開催となる「第1回AI/IoT活用技術展」の9つの専門展示会で構成されている。「AI/IoT活用技術展」では、「自動運転支援技術コーナー」の集中展示も行われる。

「モータ技術展」は、民生用から産業用までの小型・精密・中型・大型の各種モータや、ドライバ・コントローラ、センサ、設備、性能測定器、材料・素材などに関する製品やサービスが集合。自動車の電動化に伴う車載モータの需要増加に加え、レアアース確保問題、産業用モータやドライバの省エネ・効率化など、高い注目が集まっている。

モータの電力消費は非常に多く、国内の電力消費の半分を占めるといわれる。逆に言えば、モータの電力消費を抑えることが大きな省エネ効果につながる。モータのトップランナー規制は海外で先行して進められて来たが、日本でも「エネルギー使用の合理化に関する法律(省エネ法)」でトップランナー基準が設けられ、IE3規制が開始された。IEC60034-30では、モータの効率クラスが規定され、効率の低い順に、IE1(標準効率)、IE2(高効率)、IE3(プレミアム効率)、IE4(スーパープレミアム効率)となっている。日本は今まで、電圧幅や電流サイクルの違い、特注品モータの使用比率が海外に比べ高いことなどから、こうした高効率モータの採用が法的にも遅れていた。高効率モータとインバーターを組み合わせることでさらなる省エネ効果が期待できる。

「モーション・エンジニアリング展」は、モーション・メカニズム、機械要素、アクチュエータ、モーション・コントロール、モーション・センサなど、駆動・伝達・制御機構の最新ソリューションがそろう専門技術展となっている。

「熱設計・対策技術展」は、熱解析および熱設計・技術、熱対策製品・材料、熱利用機器・技術など、熱に関する総合ソリューションが提供される展示会。電子部品や機器の小型化、高密度に伴い、熱対策への注目度は年々上がっている。
制御機器、電子機器などを収納し、屋内、屋外で外部の温度環境から内部機器を保護し、内部機器への直接接触に対する保護を行うキャビネット、ラック、ボックスは、工場、事務所、ビル、店舗、集合住宅などの設備に必要不可欠なものになっている。こうした設備の内部機器はより高度化して配線、搭載数も増加傾向にあり、内部の温度は上昇、その発熱量によっては自然換気で改善ができない場合があるため、その際は換気扇、熱交換器、クーラーなどの熱対策機器を取り付ける必要性が生じてくる。

これらの熱対策を施したキャビネット、ラック、ボックスとその関連機器の市場は、IT関連でデーターセンター、社会インフラ分野で太陽光発電システムやスマートグリッド機器、FA分野で省エネ関連機器、ホーム分野で分電盤、計測器などに関する投資が増えて、拡大している。最近はデーターセンターや工場内で、サーバ機器の高集積化、CPUの高性能化による発熱量の増加に伴い、空調設備で消費される電力量が急増しており、温暖化やエネルギー問題を助長することが懸念されている。また、制御盤に収納される機器の小型高機能化に伴い、小型キャビネットや樹脂ボックスでも内部の高温化が問題になっている。この対策としては、自然換気、強制換気、強制放熱、強制冷却、局所冷却などが考えられる。

自然換気にはさまざまなキャビネットに取り付けできるルーバー、フィルターカセットなどが利用される。ルーバーには、ステンレス製、角丸、R形などがある。

盤内を強制的に換気し、効率の良い熱対策を行う強制換気には盤用換気扇、換気扇付きルーバー、換気扇付きフィルターカセットなどが使われる。盤用換気扇には樹脂タイプ、金属タイプ、防湿タイプ、低騒音のタイプなどがある。

密閉状態の盤内の熱を効率的に放熱し、電子装置を熱・ほこりによる障害から守る強制放熱には、天井取付型、側面取付型などの盤用熱交換器が、密閉状態の盤内を低い温度に冷却し、電子装置を熱・ほこりによる障害から守る強制冷却には水冷熱交換器、コンプレッサークーラー、電子クーラーなどが使用される。それぞれ、用途に応じて側面取付型、天井取付型、耐食性タイプ、高効率タイプなどが用意されている。

キャビネット内の冷却に最も効果的なのは、電子クーラーで、さまざまなタイプがある。特にキャビネットの熱対策と環境負荷低減を行える小型・高効率の電子クーラーが増えてきている。

電子冷却素子とアルミフィンを採用した高性能ペルチェユニットを組み込んだ電子冷却式のクーラーは、設計を工夫する事で、消費電力を従来機種に比べて大幅に減らし、エネルギー効率を表すCOP(成績係数=冷却能力/消費電力)が高いタイプが登場している。

 

自動運転の集中展示も

「メカトロニクス技術展」は、電機・電子機器、自動車、輸送機器、産業機械など、あらゆる分野の自律・自動化、制御技術、関連システムなどが集結。メカトロニクス関連、IoT関連のシステムや機器、3Dプリンタ、マシンビジョン関連システムなどの製品やサービスが出展する。

「機械部品・加工技術展」は、電機・自動車・機械などの組み立て加工業に向けた機械要素技術と加工・成形技術を紹介。FAパーツ、機械部品、加工技術、表面処理や、多品種少量加工に特化した生産管理システム、工具、加工機、測定器などが集合する。

「電源システム展」は、スイッチング電源、ドロッパ(リニア型)電源、高圧電源、アダプタ/チャージャ、無停電電源装置(UPS)、蓄電器など、電力安定供給に関する最新技術と製品、サービスが集結。

「エコパワーソリューション展」は、エネルギー・ハーベスティング、ワイヤレス給電、バッテリー技術、充電給電分野に関する製品やサービスが出展される。二次電池を含む蓄電技術、給電技術、微少な発電技術やその構成部材・評価装置などがそろう専門技術展となっている。

「EMC・ノイズ対策技術展」は、新たな規格や技術に対するノイズ対策の総合的なソリューションがそろう場として、国内外のエンジニアから高く評価されている専門技術展。ノイズ対策部品・材料をはじめ、電磁波シールドシステム・材料、計測機器、測定施設、EMC対策ソフトウエア/設計関連システム、EMC測定サービスなどが集まる。

「AI/IoT活用技術展」は、機械学習、ハードウエア、センシング技術、ビッグデータ処理、ディープラーニング、ソフトウエアなどが出展。さまざまなビジネスシチュエーションに役立つAI/IoT技術が紹介される。

また、集中展示となる「自動運転支援技術コーナー」では、センシングや制御技術、AIによる認知・判断技術、コネクテッドカーを実現する通信技術など、次世代自動車開発に不可欠な製品やソリューションが披露される。

 

AI、IoTでセミナー 国際ドローン展も併催

期間中は、特別講演会も実施される。富士通アドバンストテクノロジ開発プラットフォーム技術統括部の野崎直行部長による「開発環境におけるAI活用」や、ロボット革命イニシアティブ協議会の久保智彰事務局長による「製造業におけるIoT導入のメリット」、経済産業省製造産業局の徳増伸二参事官による「Connected Industries推進に向けた我が国製造業の課題と今後の取組」など、9セッションが予定されている。このほか、同時開催の「ドローン展」「駅と空港の設備機器展」の特別講演会も行われる。

また、各社の最新技術や事例、最新動向などが紹介される出展者セミナーも実施される。いずれも聴講無料、事前登録制※空席がある場合は当日受付も可能。

特別企画も用意され、会場内には特設会場が設置される。毎回大好評の「自動車カットモデル展示コーナー」(4ホール)では、日産「ノートeパワー」、ホンダ「レジェンド」「フィット」の車両ハーフカットモデルや、各社のエンジン単体カットモデルが展示される。IoT部門では、「製造業におけるIoT活用」の目的と成果をわかりやすく解説し、各社の最新製品や技術を紹介する特設会場(4ホール)を用意。展示企業によるミニセミナーも行われる。聴講無料、当日受付順。

また、「国際ドローン展」の特設会場(7ホール)では、ドローンの飛行デモンストレーションが実施される。出展者による最新技術を駆使したデモ飛行は毎年人気を博している。

 

▼TECHNO-FRONTIER2018「モータ技術展」「モーション・エンジニアリング展」出展社ブースを取材したレポートをご覧いただけます。テクノフロンティア モーター技術展 モーション・エンジニアリング展 取材レポート

オートメーション新聞は、1976年の発行開始以来、45年超にわたって製造業界で働く人々を応援してきたものづくり業界専門メディアです。工場や製造現場、生産設備におけるFAや自動化、ロボットや制御技術・製品のトピックスを中心に、IoTやスマートファクトリー、製造業DX等に関する情報を発信しています。新聞とPDF電子版は月3回の発行、WEBとTwitterは随時更新しています。

購読料は、法人企業向けは年間3万円(税抜)、個人向けは年間6000円(税抜)。個人プランの場合、月額500円で定期的に業界の情報を手に入れることができます。ぜひご検討ください。

オートメーション新聞/ものづくり.jp Twitterでは、最新ニュースのほか、展示会レポートや日々の取材こぼれ話などをお届けしています

特集の最新記事8件

>FA・自動化、デジタル化、製造業の今をお届けする ものづくり業界専門メディア「オートメーション新聞」

FA・自動化、デジタル化、製造業の今をお届けする ものづくり業界専門メディア「オートメーション新聞」

オートメーション新聞は、45年以上の歴史を持つ製造業・ものづくり業界の専門メディアです。製造業DXやデジタル化、FA・自動化、スマートファクトリーに向けた動きなど、製造業各社と市場の動きをお伝えします。年間購読は、個人向けプラン6600円、法人向けプラン3万3000円

CTR IMG