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ディーラーヘルプを 考える 黒川想介 (18)

擬似的組織体を捉える
案件情報 一報は販売店から

時代を経るに従っていろいろなことが複雑になる。技術が発達し、人口が増加すれば、人口で構成される社会は複雑さを増す。グローバル社会である現代では、その複雑さは止まるところを知らない。

社会がつくり出す市場もまた発展し、複雑になっていく。市場はまさに生きものであり、変化を伴いながら複雑さを増してゆく。市場を構成する業界や企業もまた、市場の拡大・変化・複雑さに対応しながら変化してきた。

企業の組織を見てみると、一途に拡大発展した頃の組織名は、技術一課、二課や営業一課、二課というように、課名の数字を増やす名称が一般的であった。拡大発展していくうちに市場が複雑になると、その市場に対応するために、◯◯技術や◯◯営業になっていく。だから企業がどの市場に力を入れているのかは、組織を通して見える。

ディーラーヘルプという販売店支援に関して見てみると、この関係はメーカーと販売店の疑似的組織体として捉えることができる。ディーラーヘルプはメーカー側の販売戦略でつくられる組織体であることから、ディーラーヘルプという組織体を見るとメーカーの意向がわかる。

ディーラーヘルプというのはメーカーと販売店で構成する疑似的組織であるから、組織自体に名称はなく、メーカーの意向でメーカー側にディーラーヘルプを主幹する組織名がある。代理店課や特約店課・特販課などが一般的に命名されている。同じような課名を持つメーカーのディーラーヘルプでも、彼らの活動の内容やミッションによって、どの市場を向いてどのくらいの力をディーラーヘルプ組織体に向けているかがわかる。

販売店側はどの市場に向かって力を入れているかは、どのメーカーの戦略に乗っているかを見ればわかる。しかし、昨今の販売店を外から見ただけでは、どのメーカーの戦略に乗ってディーラーヘルプ組織体としての活動をしているかわからない。メーカーの販売戦略がディーラーヘルプという活動に対して、以前と比べて力を入れなくなったことに起因している。

業界の高度成長期には、メーカーと販売店があたかも連合艦隊のごとく一体になって行動していた時期があった。行け行けの時代であったから、メーカーの目標が販売店の目標であっても不自然さがなく、ディーラーヘルプ組織として行動ができたのである。

結果的に、ディーラーヘルプの根幹となる互いの信頼関係の醸成と販売戦力の育成強化がなされていたのである。だから、メーカーの販売戦略は、ディーラーヘルプという疑似的組織体を中心に組み立てることができたのだ。

昨今のメーカー戦略は、ディーラーヘルプに強い関心を示していないように見える。行け行けの時代のように、メーカー営業の率先垂範やリーダーシップ的動きがよく見えないせいかもしれない。

その背景をいくつか挙げてみると、①メーカー間の競合が一段と厳しさを増している②市場の複雑さが一段と増している③メーカーの企画などスタッフ部門の強化で、市場をデータ化し細分化してみるようになった④国内需要の勢いがないため、選択と集中の考えが主流となっている⑤これらの理由を総合して、メーカーの販促活動が市場や顧客への直販促を強化する傾向にある——以上のことがあって、メーカー営業がディーラーヘルプ組織をぐいぐい引っ張っていくようには映らないのである。

それでも販売店をメーカー戦略の重要な位置づけにしていると思われる。なぜなら、販売店への支援は従来踏襲してきたことを続けているし、メーカーの営業にとって喉から手が出るほど欲しい案件情報の一報は、販売店から出てくる。それを商談テーマ化したり、フォローしたりすることを活動の重要項目にしているからである。

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