元JSUG会長がSAP Forum 2015で実感した第4次産業革命に 向けた日本企業の取るべき道とSAPへの期待とは?(前編)〜SAPジャパンの超リアルタイムビジネスが変える常識(22)〜

社員に未来のシナリオ示す 「ビジネスモデル 足元から見直せ」

SAPジャパン最大のイベントであるSAP Forum Tokyo 2015が11月12日、東京のザ・プリンスパークタワー東京で開催されました。「Discover Simple 今日の願いを明日の躍進へ」をテーマに掲げたイベントでは、SAPジャパンから今後の戦略や新製品などが発表されるとともに、セッションや展示を通じてパートナー企業のさまざまなコンテンツも紹介されました。「第4次産業革命」への対応が迫られる中、フォーラムに足を運んだ2000人を超える参加者たちはここから何を得ることができたのか?
その成果を振り返るため、ジャパンSAPユーザーグループ(JSUG)の元会長で、現在はJFEシステムズ株式会社の取締役を務める都築正行氏に、イベント全体の感想とインダストリー4.0やIoTに向けた日本企業の本気度について伺いました。

■変革を推進するためには経営トップの意思決定が不可欠

まずはじめに、都築氏は、イベント全体を振り返り、次のように感想を話します。「40以上のセッションと、30を超える展示があり、会場は2000人を超す参加者であふれていました。それだけの盛況であったにもかかわらず、イベントの運営は非常にスムーズでした。広い会場が確保され、導線がわかりやすかったことと、セッション間のインターバルに30分の余裕を持たせたプログラム構成も効果的だったと思います」

今回のSAP Forumでは、第4次産業革命(インダストリー4.0)、IoTといったデジタル変革に関連するセッションを中心に聴講したという都築氏。なかでも、日本元気塾塾長/一橋大学イノベーション研究センター教授の米倉誠一郎氏と株式会社小松製作所(コマツ)代表取締役会長の野路國夫氏などによるパネルディスカッションは出色の内容だったといいます。

「野路会長のお話の中で私が最も印象に残ったのが、『経営トップ自らが自社の未来のシナリオを社員に見せることが重要』という言葉です。日本のIoTを最先端でリードするコマツのKOMTRAXは、トップ自らが10年先、20年先の将来を見据えて決定したもので、トップが現場を知り尽くしているからこそ実現できたものだという思いを強くしました」

コマツのような先進的な企業がある一方、日本企業にはデジタルに対する危機感の薄い経営者が依然として多いのも事実です、彼らがデジタル変革を阻害する要因になっているという声も聞こえてきます。米国では企業内のリソースで70%のIT技術者が担保されている一方、日本は大部分を外部のベンダーに依存し、企業の中には25%しかいないという調査報告もあり、日本ではトップを支える体制面でも十分とはいえないかもしれません。しかし、こうした状況下においても、日本企業からはデジタル変革を積極的に採り入れていこうとする、意欲的な姿勢が見られるようになってきていると都築氏は語ります。

「2015年は雑誌、新聞、テレビなどで第4次産業革命(インダストリー4.0)、IoTが盛んに紹介されたこともあって、感度の高い企業のトップは何らかの施策を打とうと、それぞれ準備を進めているはずです。通信機能を備えたIoTデバイスや、SAP
HANAのようなビッグデータ分析基盤が重要な役割を果たすことも認識しているでしょう。特に製造系企業のトップの多くは、今までやりたくてもできなかったよりレベルの高い予防保全や品質管理などができることに期待を膨らませています。ただし、これからインダストリー4.0を始める企業が、10年、20年かけて進めてきたコマツの域にまで一気に到達するのは、やはり無理があるでしょう。コマツでは取引先を巻き込んでビジネスのプロセス自体の変革も進めています。日本企業もまずはビジネスモデルを足元から見直すことが重要です」
■SAPの強みを生かした外部からの変革に期待

しかし、こうしたビジネスモデルの変革を、ボトムアップで企業の内側からだけで起こしていくことは容易なことではありません。だからこそ、SAPのようなベンダーが、外部から情報を発信しながら変革を促していくことも重要ではないかと、都築氏は期待します。

「SAPはデジタル変革やIoT関連の豊富なソリューションを持っているだけではなく、数多くの事例を通じて顧客のビジネスや業務に精通しています。SAPジャパンの営業担当はトップと接する機会が多いでしょうから、海外や国内の事例を紹介していくことで、トップの投資意識も高まると思います。SAPジャパンにはぜひともその役割を果たしていただきたい。ただし、IoTはソフトウエアだけでは解決しない領域なので、SAPジャパンから積極的に機器メーカーなどのビジネスパートナーに声をかけて協力体制を築き、ユーザー企業にふさわしい提案をお願いしたいと思います」
(SAP編集部)

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