IoTを活用してテレマティクス2.0を目指したアショック・レイランド(後編)〜SAPジャパンの超リアルタイムビジネスが変える常識(17)〜

顧客のインサイトをより深く得る 中長期的にサービスを進化

■FAMEが実現する3Cへの価値
アショック社はSAPの研究開発部隊と一緒に、FAME(Fleet Analytios Mobile Enabled)という新しいIoTソリューションを開発しました。
FAMEでは、IoTテクノロジーによってエンジン回転数、燃料システムの状態、車両のスピード、空気圧、温度、点火タイミング、エアフロメーターなどをリアルタイムに把握できるようになりました。そして、アショック社はこれらを3Cの観点からビジネス価値に変換することを試みました。Customer(顧客)、Channel Partner(チャネルパートナー)、Company(アショック社自身)です。
[Customer]燃料やスピード、空気圧やバッテリーポテンシャルなどあらゆる車両の状態をリアルタイムに確認できるとともに、それらの全体のトレンドを把握できます。各指標を比較・分析すれば、タイヤ寿命や燃料効率といった日々のオペレーションの改善余地がわかるようになり、アップタイムや車両稼働率、従業員生産性などにつなげるでしょう。
[Channel Partner]パートナーは車両の実物を確認することなく、その状態を予め確認できます。そのため、必要な修理ニーズを把握した状態でプロアクティブな修理訪問を行ったり、より良い修理計画を立案することが可能となります。
[Company]蓄積データを分析することで、アショック社はさまざまなインサイトを得ることができます。製品品質の改善、ワランティの支出減少およびフォーキャスト精度向上、車両故障の早期の発見、保険への適用、運転パターンに基づいたトレーニングコースの考案など。これらはアショック社のビジネスプロセスの改善につなげるかもしれません。

 

■SAP HANAが実現するフリートマネジメントソリューション

SAP HANA統合されたFAMEはたくさんの優位性を持っています。第一にデータ処理です。国を跨いだ数千の車両から15秒ごとに集められるデータを、インメモリエンジンはパフォーマンスを劣化させずに計算し、意味のある情報に変換します。第二にユーザ画面です。使用者の役割に最適化されたFAMEダッシュボードを提供し、PCやモバイルなどさまざまなデバイスで視覚的な情報を与えます。第3に基幹業務との連携です。ビジネスとしての価値を高めるには、単に異常がわかるだけでなく、アクションまでつなげなければなりません。例えば、フリート管理者が車両故障を検知し、適切なエンジニアのアサインを行い、サービスエンジニアが実際に作業するといった一連の流れを考える際、あらゆる関係者が統合プラットフォーム上でデータを参照しながらワークフローのトリガーを通してやり取りをすることが可能です。

 

■Big Data to Big Insights to Big Benefits
「FAMEというIoTを起点としたテレマティクスソリューションは、顧客にリアルタイムのフリート情報を提供するだけでなく、顧客のインサイトをより深く得ることによって、組織のアイデア創出・デザイン・製造・販売・サービスのトランスフォームを助けます」(アショック・レイランド ITバイスプレジデント Venkatesh Natarajan)
アショック社の取り組みはまだ始まったばかりで、中長期的にサービスを進化させていこうと考えています。例えば運転手の眠気や酩酊状態の検知などは今後の検討事項です。データをどう意味のある情報に変え、ROIを最大化するためにどのようなサービス・エコシステムを構築するか。そしてこれらの取り組みは個々の企業への価値のみならず、渋滞や交通事故などの社会問題の解決にもつなげっていくでしょう。
アショック社はさらなる価値向上に向けて、テレマティクスサービスを日々進化させます。
※本稿は公開情報をもとに筆者が構成したものであり、アショック社のレビューを受けたものではありません。
(五十嵐 剛)

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