ボーダフォン IoT普及状況調査 将来の成功に不可欠76%

〜目標・ゴール設定、課題に〜

ボーダフォンの日本法人であるボーダフォン・グローバル・エンタープライズ・ジャパン(東京都千代田区、阿久津茂郎IoTジャパンカントリーマネージャ)は、2016年度の「ボーダフォンIoT普及状況調査レポート」を公開した。世界では76%の企業が、IoTが将来のビジネス成功に不可欠なものと認識し、企業の課題は、IoTの導入するか否かではなく、どのように導入していくかにシフトしていると発表した。

同レポートは、世界17カ国9業界1096人に対して行われ、今年で4回目。1回目の13年度ではIoT(13年時点ではM2M)の導入に着手していた企業は12%だったが、今年度には28%が着手し、35%が1年以内に立ち上げると答えた。さらにIoTの役割について、76%の企業がIoTを将来の成功に「不可欠なもの」とし、63%の企業が来年中に業務向けプロジェクトを開始すると回答。注目や関心、重要度が年々高まり、普及も進んでいることが分かった。

普及を後押ししているのが経営陣。IoT導入に対して取締役会が関与している企業のなかで、86%がIoTが必要不可欠だとしている。IoT導入にはトップの理解とリーダーシップが重要で、阿久津氏は「日本国内に限れば、この数字はもっと低くなるだろう。日本は経営者でも躊躇する部分が見受けられる」と話した。

IoT導入企業は優れたROIを確保し、収益性が良くなっていることも判明。IoT導入に対し、アメリカでは53%、ヨーロッパ中東アフリカ地域で63%、日本を含むアジア太平洋地域で70%の企業が顕著なROIを確保。またこれらの企業の21%が10%超の増収、38%が6~10%の増収となったと回答。阿久津氏は増収の結果を「IoT導入にあたり、実現したい目標を明確にしていたからこの結果になった。欧米はゴールを作った上でアプローチし、これは日本企業と違うところだ」とまとめた。

企業がIoT導入することで何を目指しているかについて、既存ビジネスの自動化や効率化が64%と最も多かったが、ビジネス変革が48%、サプライヤ等とデータを共有してエコシステムを作ることを検討する企業が29%に上った。「29%もの企業がデータ共有を検討しているのは驚きだ。世界ではこうした方向で動き出している」(阿久津氏)。

またセキュリティに関してはスタッフトレーニングやガイドライン作成、契約の際にセキュリティを重要案件とするなどの対策を行っている企業が多いが、いずれも共通して「セキュリティへの不安を理由としてIoT導入を遅らせることはない」という潮流があることが分かった。

◇同レポートは下記URLから入手可能。
http://www.vodafone.com/business/iot/japan/

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