厚労省が明言 協働ロボット ティーチングに特別教育は不要 ただし80W以下

2016年8月31日

産業用ロボットは、そのままでは動かない。必要な動きのプログラムを作り、ロボットに教え込む必要がある。この教え込む作業はティーチング、教示と呼ばれ、人がこれを行うためには必ず「特別教育」を受けなければならないと労働安全衛生法、安全衛生規則で定められている。近年、注目を集めている「協働ロボット」。産業用ロボットの一種である協働ロボットにも、そのまま適用されるのか?

産業用ロボットの教示、ティーチングを行うためには、労働安全衛生法第59条第3項に記載されている通り、同法の特別教育が必要になる。特別教育は、安全衛生特別教育規定第18条に則り、学科7時間、実技2時間で行われる。各地の労働規準協会やロボットメーカー等で実施している。いったん特別教育を受けてしまえばその有効期限はないが、厚生労働省では「5年に一度の再教育を受けることが望ましい」としている。

協働ロボットのティーチングと特別教育について「いわゆる協働ロボットの教示についても特別教育が必要なのか?」と厚生労働省に尋ねたところ、「安衛則第36条第31号に産業用ロボットの定義が記載されているが、当該定義から、定格出力80W未満のロボットについては除かれている。よって、特別教育は不要である」との回答を得た。

協働ロボットとは、本体に衝突を感じた瞬間に止まる機能や、挟まれを防ぐ筐体設計、衝突時の衝撃を最小限に抑えた外装など各種の安全機能が施された産業用ロボットのことを指す。高齢化や人手不足が深刻化する日本の製造業では、期待が高まっている。すでに自動化・省力化できている自動車や電子機器製造業のなかでもロボット化できていない工程や、人による手作業を中心に工程を構成している製造業、またロボットを使うという発想がなかった製造業以外の産業など、業界業種分野問わず幅広い企業で協働ロボット活用の検討が進んでいる。

今回、80W以下の協働ロボットでは特別教育を受ける必要はないと確認されたが、実際に使うためには適切な安全対策が必要となる。特に安全柵については、リスクアセスメントで安全を確保した上でないと外すことはできない。法規上ではティーチングや使うことができる人の制限は少ない解釈となっているが、ロボットを使う上では事故防止、安全対策は十分に考慮しておくことが不可欠だ。