三菱総研 日本の景気予測 英国のEU離脱 不透明感が経済に悪影響

「英国のEU離脱は日本にどんな影響を及ぼすのか?」三菱総合研究所(東京都千代田区、大森京太代表取締役社長)は、英国のEU離脱をめぐる国民投票の結果を受けて、日本の実質GDP成長率は16年度0.2%、17年度0.6%と予測し、国民投票前よりも低い数字に下方改定した。今後、世界的なリスク回避姿勢の強まりを受けて、世界的に為替レートが円高になり、先行き不透明感の強まりによって設備投資が下振れすると予測。日本経済にも円高・株安、貿易チャネル、先行き不確実性の高まりの影響があると見ている。

円高・株安について、英国でEU離脱派の勝利が現実味を帯び始めた6月上旬以降、円ドルレートは10円近く円高が進行。日経平均株価も2000円近く下落した。輸出企業の採算レートである103円を上回る円高水準となり、輸出企業を中心に企業収益の悪化が設備投資を抑制する可能性がある。ただ、現時点でリーマンショック時のような「流動性危機」へ発展する可能性は低いと見る。

貿易チャネルへの影響では、日本の輸出に占める英国向けは1.7%(15年)と小さく、日本からの輸出が仮に6%減少しても、日本の輸出全体への影響は0.1ポイント減少程度にとどまる見込み。しかし、欧州全体の景気が悪化すれば、日本からの欧州向け輸出、更には欧州を最大の輸出先とする中国経済の一段の減速などによる間接的な影響も懸念される。

先行きの不確実性の高まりについては、現在、金融市場の混乱による実体経済への影響も見通しにくく、英国がEU離脱に至るプロセスも不透明となっている。帝国データバンクによると、英国に進出している日本企業は1380社あり、欧州事業の戦略見直しを迫られる可能性がある。

さらに、中長期的な影響として、EU離脱機運の欧州全体への拡大が懸念材料。イタリアでは10月に憲法改正に関する国民投票があり、17年にはオランダ下院選挙、フランス大統領選挙、ドイツ連邦議会選挙と主要国で選挙を控えており、それらへの影響が懸念されている。

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