ジャパンユニックスのはんだ付技術基礎知識(6)

■照射エネルギーと時間の調節には高い技術と経験が必要
『進化・発展する新はんだ付技術 “レーザー” (前編)』

■ピンポイント加熱で超微細部品や高密度実装に最適「レーザーはんだ付」

はんだ付の新しい工法として、レーザーはんだ付が注目を集めています。しかし、こてはんだ付に比べると技術的に新しく、加熱する時の原理が異なるので、単純にこてはんだ付を置き換えられるものではありません。レーザーとはんだ付、両方の特性を知り適正に扱わないと、品質の安定したはんだ付は不可能です。そこで今回は、レーザーはんだ付の原理と利用時の注意点を解説します。

■レーザーは“表面発熱”、こては“熱伝達”の違い

はんだ付には、はんだ付をする箇所を温める“予熱”、はんだを供給するための“加熱”、そしてはんだ供給後に形を整えて仕上げる“後加熱”という3つの基本的なステップがあります。こてはんだ付もレーザーはんだ付もこの流れは同じですが、2つの工法では熱変換理論が違います。それを理解しておくことが最適な工法を使い分ける上で重要な要素です。

こてはんだ付の作業工程は、
(1)こて先を設定温度付近まで加熱する
(2)はんだ付箇所に当て、溶融温度まで温度を上げる
(3)はんだを供給する
という流れで作業を行います。

一方、レーザーはんだ付は、
(1)はんだ付をする箇所にレーザーを照射する
(2)照射された箇所が発熱する
(3)パッド表面が溶融温度になる
(4)はんだを供給する
という仕組みとなります。

こてはんだ付はこてから熱を伝え(熱伝達)、レーザーはんだ付は照射された部位自体が発熱します(表面発熱)。この違いにより、こてはんだ付の場合、基本的には設定した温度以上に上昇しません。しかし、こてを当て続けると、周辺に熱が伝わっていきます。

一方、レーザーは照射されている箇所が局部的に発熱します。また、こてとは異なり、吸収するエネルギー量に応じて、瞬間的に温度が上昇します。従って、レーザーはんだ付を行う際には、注意しておかないと加熱し過ぎてしまう恐れがあります。そのため、レーザーはんだ付を行うためには、照射エネルギーと時間の調節には高い技術と経験が必要となります。

〈問い合わせ〉㈱ジャパンユニックス 03-3588-0551

■ジャパンユニックス(東京都港区、河野正三社長)
1974年の創業以来、最新鋭の分析機器を活用してはんだ付に関する基礎研究を進める一方、レーザーや超音波はんだ付など最新技術を取り入れたはんだ付装置の開発を行っている。世界各地の車載部品、スマートフォン、EMSをはじめとする主要メーカーに数多くの技術支援を行っている。

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