日立グループ 次世代型産業用コントローラを共同開発 「オープン・高性能・シンプル」追求

日立グループでは、2015年5月に「インダストリアルプロダクツ社」を設立し、産業機器事業のグローバル競争力を強化するとともに、オープンイノベーションを通じてIoT分野における事業拡大に注力している。昨年12月に開催されたシステムコントロールフェア2015では、「日立製作所」「日立産機システム」「日立産業制御ソリューションズ」が共同開発した次世代型産業用コントローラが発表され、来場者の注目を集めた。そこで、日立産業制御・情報制御機器開発部高谷壮一担当部長に話を聞いた。

-次世代型産業用コントローラとは?
オープン化、高性能化、シンプル化を徹底追求し、リアルタイム制御が可能なコントローラで、国際標準の「IEC61131-3」で定義されるPLCプログラミング言語に対応している。OPC-UAサーバも搭載し、異なるベンダ間やSCADAとの接続を実現しながら、フィールドレベルでは、EtherCATマスタにも対応。搭載されたPLCopen準拠SoftMotionにより、モーションコントローラとしても活用できる。さらに日立産業制御が担当する「HF-W/IoTシリーズ」は同社が長年培った産業用PCをベースにしており、Windowsアプリも同時に実行が可能だ。日立産機担当で、PLCをベースにした「HXシリーズ」も展開している。いずれも今年4月から順次発売予定だ。

-開発の背景は?
製造現場で情報を「つなぐ」ことへの重要性が高まってきている。情報をつなげることで、設備情報を異常検知などに活用、従来は収集していなかったビッグデータを上位側で解析し、改善点の抽出を行うことなどが実現できる。その結果、製造現場は設備稼働率の向上、製品品質アップなどの成果を享受できる。つなげるために、ネットワークやソフトウエアはオープンである必要があることから、OPC-UAやEtherCATの搭載、国際標準プログラミング言語採用などにつながった。

-特徴は?
産業用PCとPLCをワンパッケージで統合していることはもちろん、長年培った高い信頼性が挙げられる。個々の部品レベルの信頼性向上や、多重化などの対策を両面で行っており、産業用に最適な長期安定稼働に適している。「つながる」こととセットで考慮すべき「セキュリティー」に対してもソリューション提供ができる。ホワイトリスト方式で、認証された機器以外は接続できないようにする「不正持ち込みPC検知&強制排除システム」を長年提供している。もともと当社は高い品質と信頼性のシステム構築技術を有しており、ハードも含めた最適なソリューションが提供できることが強みだ。

高谷部長によると、順次ファンレスタイプ、組み込みタイプなど製品開発を続けていくとしており、海外を含めた市場への普及が期待される。

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