ニコン 開発担当者に聞く ハンディでも観察できるデジタルマイクロスコープ「ShuttlePix」

顕微鏡はステージに乗るサイズのものを拡大観察するだけのものと思っていたら、それは大きな間違い。ニコンのデジタルマイクロスコープ「ShuttlePix(シャトルピクス)」は、ヘッドとスタンドが分離し、どこにでも持ち運んで観察して撮影できるオールインワン。これまで見られなかったものも拡大観察できる。開発コンセプトと利用シーンについて聞いた。

-開発コンセプトは?
シャトルピクスは当社として初めてのデジタルマイクロスコープで、開発する際にユーザーにニーズ調査をしたところ、彼らが望んでいたのは、簡単な操作とオールインワン、そして画像の鮮明さであった。それまでのデジタルマイクロスコープは、本体とモニターがケーブルでつながり、持ち運びには不便だった。

また顕微鏡は、機能が最優先され、専門家が使うものというイメージがある。しかし、顕微鏡を使う検査工程では女性が作業を担当することが多い。

シャトルピクスは女性が使うことも想定し、軽くて使いやすく、デザイン性にこだわった。女性社員の声を製品に反映させるなど、これまでにないアプローチで開発した。

-発売後の評価は?
完成品は、本体がパールホワイトで、大きさはビデオカメラ程度で、手で持つのにちょうどよいサイズ感。顕微鏡には見えないデザインに仕上がった。2010年秋に発売し、11年にはグッドデザイン賞、IFプロダクトデザイン賞を受賞するなど、高評価をいただいている。

また、ボタンやアイコンは当社のデジタルカメラと同じものを採用。初めて触る人でも使え、取扱説明書がなくても大丈夫という声も届いている。

-製品の特徴は?
シャトルピクスは、スタンドにあるボタンひとつで全焦点画像が撮影できる機能をご好評いただいている。電子部品やデバイスなど高さのあるサンプルの外観検査など、簡単な操作で画面全体にピントの合った画像が撮影できるため、技術者の方だけではなく、あらゆる方にお使いいただいている。

またヘッドを外した形では、自動車の内外装の検査などに使われている。例えば自動車のドアパネルの塗装後の表面検査。通常、ドアパネルはステージに乗らず、拡大検査は不可能だが、シャトルピクスならその場に持って行って観察できる。これまで観察できなかった重量物に最適だ。

またハンディ単体で撮影したデータは、PCに取り込むことで計測もできる。デジタルカメラでは観察はできるが、計測はできない。その点でも評価いただいている。

-今後について。
観察して計測して画像保存ができるオールインワンタイプとして幅広い用途で便利に使える。

当社は光学顕微鏡、デジタルマイクロスコープ、CNC画像測定システム、三次元測定機、X線画像装置など、観察・計測でほぼすべてのラインアップがそろっている。これらのシナジー効果で、観察・計測に関する問題をトータルで解決していきたい。

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