日本の製造業における生産計画の実態 (1)

日本の製造業の危機が叫ばれている。各メーカーは戦後、国内に工場を構え、「メード・イン・ジャパン」の品質・コストを武器に、「良い製品を作れば、作った分だけ売れる」時代を経験した。その後、人件費の高騰から価格競争力が低下し、各メーカーは海外への工場進出を加速。その後、バブル崩壊までは諸外国のメーカー間競争にも勝ち残った。日本ブランドは強く、世界第2位の経済大国の地位を確固たるものにしてきた。

ところが現在はどうだろう。コストでは新興諸国のメーカーにかなわず、ブランド力でも調査によっては韓国メーカーの後塵を拝することもあるなど、勝ち組といえるメーカーはほんの一握りになってしまった。熟練職人による「勘」「コツ」「度胸」で成り立っていた現場は高齢化が進展し、製造業では技術継承が大きな問題になっている。

一方、西欧の工業国ドイツはこうした世界的な流れの中で危機感をより強め、「インダストリー4・0」のコンセプトを掲げて、この実現に向けて具体的に動き始めている。ドイツ政府は、「製品の輸出」から「生産技術・製造装置の輸出」「生産システム全体の輸出」に舵を切ろうとしている。

製造業の労働生産性では、日本はアメリカに75%もの差をつけられており、このままでは先進国と新興国の間に埋もれてしまいかねない。とはいえ、各種装置の輸出額を比較するまでもなく、日本の装置・設備設計力は依然として高い水準にある。まじめな国民性も各国で評価を受けており、教育水準も世界トップレベルを維持しているなど、決して現場作業員の力量が劣っているとは思えない。

では、どこで生産性の差が出てきてしまうのであろうか。そこで我々は、日本と他の先進国との差分が「計画力」にあると仮説を立て、技術者の方々に実態のヒアリングを実施した。本調査を通じて、現状の問題点と解決の道筋を明らかにするとともに日本の製造業、特に経営層の方々に危機感を持ってもらい、日本の製造業復活の一助になることを狙いとしている。

調査は、ウェブアンケートと個別ヒアリングで行い、メールニュース「FA業界ニュース」の読者を中心に実施した。

次号では、調査によって判明した「生産設備の投資状況」を掲載予定。
(つづく)

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