省エネモーターの開発活発 トップランナー規制に対応

トップランナー規制に対応したモータの省エネ化技術開発への取り組みが活発化している。米国では2010年からIE3以上のモータの使用が義務付けられているが、国内でも15年4月からモータの省エネ規制が強化され、最も多く使用されている汎用モータ(効率クラスIE1)は15年4月以降、事実上製造、販売ができなくなり、IE3(プレミアム効率)以上の製品への切り替えが求められる。これが新たな市場拡大につながるとして期待感が高まっている。

モータのトップランナー規制とは、国内で使われるモータの省エネを目的としており、主に「定格電圧が1000V以下」「定格出力が0・75Kw~375Kw」「商用電源で使用する」などの条件を満たすものが対象となる。

国内で消費される電力の約55%は産業用のモータと言われ、主にポンプ、圧縮機、送風機などで使用されている。産業部門だけでみると、モータが消費電力量の約75%を占めている。

経済産業省によると、今回の規制による省エネ効果で、国内電力消費量の1・5%の削減が見込まれている。

モータの効率クラスはIECやJISで規定され、IE1(標準効率)、IE2(高効率)、IE3(プレミアム効率)が各国で普及しており、IE4(スーパープレミアム効率)が実用段階にある。今後IE5(ウルトラプレミアム効率)も規格化される予定だ。

現状、国内で使用されているモータの多くがIE1のため、事実上、15年4月以降、現在稼働しているモータと、全く同じ製品は販売できない。各メーカーからも従来製品との置き換え工数を削減するため、互換性を意識して、取り付け寸法や使用条件を極力変更しない製品の発売が相次いでいる。

日立産機システムは、IE3クラスのNeo100Premiumシリーズを13年に発売済みで、可変速用途向けのIE4対応製品も15年1月に発売を予定している。

IE4対応製品はアモルファス金属を採用し、「アキシャルギャップ構造」にしている。ダブルロータ構造で小型高出力化も可能にした。また、レアアース(ネオジウム)の使用量をゼロにすることで、従来の課題であった安定供給とコストダウンを両立させている。さらに、国内で初めてIE5レベルを達成した技術開発も進んでおり、15年度の製品化を目指している。

安川電機も永久磁石形同期モータECOiPMシリーズを今年1月に発売し、IE4相当の高効率を実現している。そのほかのモータ各社も技術開発に取り組んでいる。

米国では11年にIE3の規制が開始され、欧州では15年からIE3、もしくはIE2+インバータによる規制が始まる。中国でも16年からIE3の規制がスタート。

今回の日本の規制により、日本電機工業会も「15年は産業用モータにとって節目の年になる」とみていて、日本メーカの海外輸出や、海外メーカにとっても追い風になると思われる。

普及にあたっては、課題も多い。価格もIE3モータ単体で約4割程度価格の上昇(標準効率モータと比較)する見通し。

装置メーカにとってはモータ価格の上昇が仕入れコストアップにつながってしまう。しかし、ユーザーにとっては省エネ効果があるため、設備導入コストが上昇しても、省エネによるコストダウンで早期回収が見込める。今後、ユーザー側の理解をさらに深めていく必要がある。

23日から東京ビッグサイトで開催される「テクノフロンティア2014」においても「高効率/トップランナーモータコーナー」が設けれ、省エネモータが多数出品される予定で注目を集めている。

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