分岐点(2014年2月12日)

食品工場の従業員が製品に農薬を混入した事件は、その対策として、工場のあちこちに監視カメラを設置するのもひとつの方法かもしれないが、死角を埋めることはできない。倫理教育にも限界があるので、人が作業する限り防げない。最高の策は完全自動化の無人操業であるが、その実現に向けて着実に歩を進めている。

大企業の工場は現在、デジタルファクトリーを目指す段階にきた。設計・開発および製造、サービスまでの情報をデジタル化し、インターネットを介して経営と工場、生産ラインをコンピュータ上でシームレスにする。経営資源の有効活用、効率化や省力化が狙いであるが、コンピュータによる製造実行システムを見ても、現在は作業者への指示、支援が前提で人が介在する。

現場作業者が機械に置換できれば、無人化へさらに近づく。ロボットが多数の部品から必要な部品を選別し、次の工程のロボットに手渡す。1台のロボットで部品から組み立て作業を行う工場も実存している。機械や生産工程単位のオートメーション化は進展しているのだから、工程間を乗り越えて工場全体の自動化も不可能の領域ではなくなりつつある。

無人工場へ到達するには、技術的な壁が現存する。機械技術、制御技術、情報通信技術の開発と擦り合わせ技術という課題である。ドイツでは業界団体が協調し合って生産革命を目指していると聞いたが、これらの技術分野は日本が得意とする範ちゅうに入る。もちろん、無人工場から生産される食品は、生産工程での毒物混入を防止できる。

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