2014年工業会年頭所感 一般社団法人 電子情報技術産業協会 佐々木則夫会長

年頭に当たり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。2013年の日本はデフレ脱却に向けたアベノミクスや民間活力を向上させる景気対策等の施策により、超円高が是正され、輸出関連を中心に企業業績にも回復傾向が見られるなど、厳しい事業環境に苦しんできた当業界にも明るい兆しが見え始めた一年となりました。

当業界ではテレビが大画面・高付加価値品を中心に回復傾向にあり、電子部品の出荷動向も自動車関連やスマートフォン・タブレット端末等の需要拡大により上向いております。この状況を反映し、当協会が昨年12月に発表した電子情報産業の2013年における日系企業の生産も約38兆円、前年比5%増と3年ぶりのプラス成長を示しました。

一方、韓国や中国を始めとする諸外国との国際競争が激しさを増しております。そうした中で、日本のIT・エレクトロニクス産業は新たなイノベーションや付加価値を生み出し、国際社会でリーダーシップを取っていかねばなりません。そのためには、イコールフッティングな競争環境の整備が極めて重要となります。当協会では昨年、政府に対して税制改正や規制改革等、あらゆる機会を捉え訴えてまいりました。

その結果、昨年成立した「産業競争力強化法」と合わせ、税制面では「設備投資減税」「研究開発促進税制における上乗せ措置の拡充」等の対策、規制改革面では「医薬品医療機器等法」の成立など大きな成果を挙げることができました。

14年の世界経済は、一部の新興国で成長率の鈍化など懸念材料があるものの、米国の成長持続や欧州の緩やかな経済回復を背景に、全体的に着実な経済回復が期待されます。昨年10月の国際通貨基金の見通しにおいても、14年の世界経済の実質成長率は3・6%増と、13年の2・9%増を上回ると予測されています。

わが国においても、消費税増税による景気の下振れリスクはあるものの、世界経済の持続的な成長や円安を追い風とした輸出の拡大に加え、成長戦略の確実な実行による国内経済の回復に期待がかかります。こうした状況の下、IT・エレクトロニクス産業はわが国の基幹産業として、経済再生の加速化に大いに貢献できると考えております。今後著しい成長が見込まれる医療・ヘルスケア、エネルギー、社会インフラ、自動車、農業分野など、従来の枠組みを超えたあらゆる分野と融合することで、いままさに社会が直面する課題を解決し、世界に先駆けたスマート社会の実現に向けて大いに貢献できるものと確信しております。

3年前の東日本大震災以降、一段と高度な防災・減災や公共設備の維持管理が求められております。わが国が強みを持つセンサ、画像情報、クラウド技術など最先端IT・エレクトロニクス技術を積極的に活用し、安心・安全で強い社会インフラ構築を実現するだけでなく、新たな産業の創出による地域経済の活性化にも貢献してまいります。また、各社が変革に向け果敢に挑戦する中、成長の流れをより加速するための確たる基盤を築くためにも、引き続きイコールフッティングな競争環境の整備が肝要となります。当協会では今年「研究開発促進税制における総額型の拡充」「法人実効税率の国際水準までの引き下げ」「償却資産に関わる固定資産税の廃止」など世界水準の事業環境整備、また「責任あるエネルギー政策」など競争力強化に必要不可欠な条件について、政府に対し前向きな対応を訴え続けてまいります。

IT利活用の推進にあたっては、マイナンバーの利用拡大、オープンデータ・ビッグデータの速やかな利活用推進、個人情報保護とデータ利活用の両立などを実行するためのルール整備について、積極的に政府に対し働き続けてまいります。中でもマイナンバー推進は、日本が直面する超高齢化社会において、行政・医療・福祉サービス分野での効率化やサービス向上に繋がることが期待され、国民の健康長寿化や利便性向上に大いに貢献できるものと信じております。

IT・エレクトロニクス業界が一致団結し、真の日本経済再生と世界最先端IT国家の創造を目指して力強い一歩を踏み出すとともに、わが国最先端の技術を結集したベストプラクティスを、アジアをはじめとする海外へ積極的に展開し、未来志向のスマート社会実現に貢献できるよう、当協会は決意も新たに本年も事業を推進してまいります。

14年が午年にふさわしい躍動感ある年、そして20年の東京五輪に向けて飛躍するスタートの年となることを祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。

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