分岐点

現場でヒントを得て、ちょっとした製品の改良でモノが売れ出す。ところが、意外に制御機器の機械への取り付け工事までは見ていないので、技術開発者は自己本位の開発になりがち。そこから抜け出した人は、現場を観察し工夫して売れる製品を開発する。▼

ドイツ・バルーフのGutekunst氏は、CLPA発行のレポート2013の中で「デバイスの取り付けを従来の4カ所固定から、2カ所に減らした。当初はそれほどの反応がなかったが、今は当社の大きな特徴」と語る。高度な技術革新は必ずしも必要ではなく、顧客との対話の中で出てくるささいなことがキッカケで実現できる、とも。▼

機械に取り付けてあるセンサーを別の位置に移すとき、工事者はケーブルを切って捨ててしまう。機械や装置には何十台ものセンサーが付いている。改修の度に破棄されるケーブルの量は金額に換算すると大きい。現場も気付いていて、もったいないとの言葉が返ってくる。無線化できれば、自信を持って使うという。▼

ひと工夫の例は、他にもある。産業用トランスは、取り付けるときにドライバーを斜めにして回していたので作業が手間取り、現場では面倒との声が出ていた。現在は、多くのトランスが改良され、ドライバーを垂直にしてネジで固定できるようになった。作業者の評判が良い。搭載の端子台も通電表示やカラー化が出ている。▼

この話を、現場を知るフィールドバスの権威者に振り向けてみた。彼は「工事者が嫌がるところにヒントがある。PLCとセンサー、アクチュエータを省配線で接続するとき、現場ではいちいちアドレスを確認する作業はしたくない。その作業を不要にする製品は売れる」と例えながら、現場を知る必要を強調する。仕事は現場から学ぶことである。

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