FA・制御機器流通業界 〝元気産業〝PVに活路 設備のソリューアル需要に期待海外市場に重点置く商社増える

FA・制御機器の流通業界は、政権交代後の円安・株高傾向から、経済全体への期待感、とりわけ輸出産業の競争力強化と国内での設備投資増加が見込めるのではという見通しから、ムードとしては明るい傾向で推移している。しかし、現状はムード先行で、まだ厳しい状況であることには変わりない。国内市場の開拓、海外市場へのアテンド、事業継承問題、ネット販売への対応など、課題は山積みといえる。今後新しい商社像を求めた取り組みはまだまだ続きそうだ。
FA・制御機器の流通は、国内での設備投資が低調で推移していることから、エネルギー関連での需要に活路を見出そうとしている。中でもPV(太陽光発電)関連は唯一ともいえる期待分野だ。昨年7月から再生可能エネルギーの買い取り制度がスタートしたこともあり、採算性が見込めるPV発電が急速に普及している。一時パワーコンディショナーが品不足であったが、現在はパネルの納期が逼迫している。自動車や半導体関連などの需要に比べると市場に及ぼすインパクトは小さいものの、いまのところは唯一ともいえる元気産業となっている。EV(電気自動車)関連や、スマートフォン、タブレットPCなども比較的健闘しながら市場盛り上げに貢献している。

内需型産業の3品(食品・薬品・化粧品)分野も大きな落ち込みもなく推移しているが、市場規模があまり大きいと言えず、国内産業を牽引するうえで力がまだ弱い。それでも食品機械業界は、日本の安全・高品質な食を生み出していることをポイントに、今は1桁台の輸出を今後伸ばそうと、制御盤の国際標準化対応などに取り組んでいる。

また、社会設備全体の老朽化が進むなかで、こうした設備のリニューアル需要の拡大を期待する動きも強い。道路・橋・鉄道・下水道などのリニューアルは土木的な要素が多いものの、最新の制御機器、省エネ関連機器の需要増につながる部分も多い。

省エネ・蓄エネ・創エネに、活エネを加えた「4エネ」への取り組みは、工場だけでなく、ビルや店舗、公共施設、家庭まで幅広い領域で新しい需要創造につながる可能性を秘めている。これに最近は防犯などセキュリティ分野も新たな市場として浮上している。
アジア地域に狙い

一方、顧客の海外シフトや、市場のグローバル化に対応して、海外市場開拓に重点を置く商社の増加が止まらない。日系ユーザーのサポートが大きな目的であるが、成熟した国内市場より、新興国を中心に今後の市場拡大が見込めるアジア地域に狙いを定めた展開が目立つ。

中国をはじめ、アジアの新興国はものづくりのレベルではまだまだ低く、日本製の制御機器、電子部品へのニーズが高い。最近はローカルメーカーも徐々に品質レベルを上げてきているものの、エンジニアリングなど総合力では日本のレベルは高く、大きな需要が見込める。

海外に拠点を出せるのは、力のある一部の商社に限られてくるが、国内市場のマイナスを補うために多少のリスクを負いながらも、海外でその補てんを狙う動きはますます加速している。海外でのローカル販売店との代理店権問題なども絡むことから、ソリューション提案や、組み立て業務、購買代行など様々な形態で、事業の現地化を図ろうとしている。
商社間で連携強化

こうした国内外での流通を取り巻く環境変化に対応して、各商社も新たな動きを模索し始めている。そのひとつが、商社間の連携強化だ。商社は、FA・制御機器、電子部品、電機材料、計測機器、機械工具、科学機器など扱う商品で大きく分かれているが、これらの商社が連携してお互いの商材、顧客を補完や紹介することで、ワンストップ購買と効率的な顧客サポートにつなげようとしている。
メーカー志向を強める

もう一つは、商社として自社製品を持ったメーカー志向である。力のある商社はメーカーへの資本参加や買収することで、売り上げ拡大と利益率向上を目指そうとしている。メーカーとしては、ハードウェアだけでなくソフトウェアでも可能であることから、技術力、開発力のある商社は、メーカー機能への垣根は低くなっている。

市場の変化の中で、事業継承も大きな問題になってきているが、新しい商社の使命・役割を見直すきっかけの時期に来ていると言えそうだ。

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