分岐点

2013年4月24日

住宅関連の電設メーカーからFA機器メーカーのトップに就任した経営者は、1年後に「FA機器市場がこれほどに上下動の大きい業種とは思わなかった。電設市場の方が見通しを立て易い。安定した経営ができる」と驚いていた。同じ製造業でも立ち位置が違えば、経営環境が一変する。

バブルが崩壊した1992年から20年間の実質投資額の推移をみると、非製造業は落ち込みと浮上点の乖離は十数ポイントであるのに対し、製造業は50ポイントに達している。製造業向けに事業を展開するFA業界は落差の大きい分類に入る。リーマンショックを抜け出したと思いきや再び不安定な市場動向に悩まされている。そして、市場を創ろうと考える。

サービス産業生産性協議会が4月に提言書「サービスイノベーションへの取り組みの新たな展開に向けて」を発表した。そこでは、エレクトロニクスや情報通信産業が縮退する国内市場に直面するに及んで、製造業のサービス化は日本経済全体の喫緊の課題、と指摘する。そして、「コトづくり」の視点からきめ細かい品質管理の発想をサービスの領域にまで広げていくべきという。

「コトづくり」とは、他者に認められたい社会的欲求を満たすことを指すそうである。要望そのものを創り出し市場化する仕掛けを編み出すことかもしれない。この仕掛けは、現場を知り尽くして、そのうえで考え抜き開発、販売する根気のいる作業である。連休に考えるだけでもしてみようかと、今は思う。