配線接続機器 小型・薄型化、狭ピッチ化、安全性、接続信頼性向上 環境に配慮した素材の開発進む

2013年2月27日

配線接続機器市場は、NECAの制御用専用機器出荷統計によると、10年度は1254億円(前年比22・4%増)、11年度1289億円(同2・8%増)となっている。12年度は、中国や欧州の景気低迷の影響を受け、第1四半期237億円(前期比29・3%減)と減少したが、第2四半期に入ってからは、少しずつ設備投資が回復したこともあり、第2四半期270億円(同14・2%増)、第3四半期286億円(同5・8%増)とプラス傾向に転じている。一方、第3四半期までの累計では793億円で同16・9%減となっている。
●コネクタ市場は6・4%増
一方、コネクタ市場は、経済産業省の機械統計によると、10年(1~12月)4775億円(同26・0%増)、11年4422億円(同7・4%減)、12年4707億円(同6・4%増)となっている。NECA会員外も含めると市場規模は、端子台が約450億円、ケーブルアクセサリー・配線ダクト類が約70億円と推定される。

FA分野は、半導体・液晶製造装置の設備投資が先送りされて低迷している。日本半導体製造装置協会の予測によると、12年度の販売額は前年比18・0%減、13年度は後半から成長局面に入ると予測しているが、年間では同1・0%増と前年並み、14年度に入り、ようやく20・0%増と、11年度の数字に匹敵するまで回復すると予測しており、今年度の後半からの設備投資の回復に期待がかかる。

一方、自動車・工作機械関連は、昨年実施されたエコカー減税・補助金による需要の喚起で、配線接続機器の需要も好調に推移している。
●エネルギー分野に期待
新市場として期待されているエネルギー分野は、メガソーラー発電設備の建設が進む太陽光発電関連や、風力発電などの再生可能エネルギー分野、さらに「省エネ・蓄エネ・創エネ」が絡むエネルギー・マネジメント・システム分野での需要増が著しく、新しい市場を形成している。

特に、メガソーラーでは4月以降、電力の買い取り価格が下がるとして、駆け込み建設が続いており、関連機器の品不足が継続している。直流高圧に対応した配線接続関連機器も開発が活発化して、市場に活気をもたらしている。

スマートグリッドやスマートシティ構想といった電気の効率的運用を進める社会インフラ整備需要も、配線接続機器市場にとって追い風となることが見込まれている。最近では、耐候性に強いステンレスを素材とする配線資材が、工事現場や船舶・航空機分野で伸長しており、こうした分野も新しい市場として注目されている。
●円安で原材料値上がり懸念
円安傾向もあり、原材料価格の動向も注目されている。ナフサなどの合成樹脂の値上げが懸念されており、合成樹脂メーカーでは、1月にポリエチレンやポリプロピレンについて、8%前後の値上げを求めてフィルムメーカーなどと交渉に入っている。買い手であるフィルムメーカーなどは、値上げを受け入れざるを得ないと判断しており、自社製品への価格転嫁に動き始めている。

昨年9月の値上げ交渉では、合成樹脂の値上げ発表後にナフサ価格が急落し、交渉は年末までずれ込むなど難航したが、今回の値上げの主な理由は、急激な円安進行によるコストの上昇のためで、買い手側では、「為替が円高に反転するとは考えにくく、反論する材料が乏しい」と判断しているところが多い。

今後の樹脂相場の動向いかんでは、配線接続機器価格にも影響を及ぼすものと見られ、動向が注視される。

端子台の製品傾向は、プリント基板対応タイプで、インテリジェント化、薄型化、省スペース化、狭ピッチ化が進んでいる。配線作業の省力化につながる圧着端子とバネを一体化したタイプは、各社独自のノウハウで製品展開を図り定着している。バネ式端子台は、長期間の振動にも強く、振動によるネジの緩みもないので、公共の輸送・交通設備にも採用されている。欧州式の圧着端子を使わないタイプも浸透している。作業性の良さと安全性などが大きなポイントといえる。国内メーカーでもこのタイプを品ぞろえしており、主流になっている。
●防爆構造タイプが伸長
リレーバリア、ランプバリアなどのコネクタ接続タイプでは、小型・軽量化が進み、収納ボックスの小型化、コストダウンが図られているほか、防爆構造タイプの製品も伸長している。現場でのアース工事が不要で、非本質安全端子側の配線は電源2本とコネクタだけで、配線工数の大幅削減につながっている。国内の防爆規格やNK規格、さらに欧州のATEX、米国のFM、カナダのCSAといった海外規格にも対応している。

省配線化ニーズに対しては、コネクタ化や複合化(ハイブリッド)などが進んでいる。省配線化は、盤と盤、盤と機器、機器と機器の間をつなぐ上で作業やメンテナンスの工数削減につながることからニーズが高い。

こうした観点から、機器間や設備内の省配線を図る省配線機器・システムや伝送ターミナルなどは、接続以外の付加価値があり、新しい市場を形成している。