FA・制御機器流通市場 関東地区 内需関連へのアプローチに重点

2012年10月31日

関東地区のFA・制御機器流通市場は、東日本大震災に伴う前倒し需要やタイ洪水特需の反動に加え、地デジ開始に伴う需要減、中国市場停滞など、内外の逆風の影響を大きく受けている。現状前年同期比85~90%の売り上げで推移しているところが多い。関東地区では自動車関連は比較的堅調であるが、半導体・FPD製造装置関連は停滞している。

しかし、こうした中でも各社が工夫を凝らしながら営業を展開し、売り上げ確保に取り組んでいる。

現在、最も重点的に取り組んでいるのが内需関連産業へのアプローチである。電力供給の不安問題から、節電や省エネ関連需要へのアプローチは各社とも継続して行っている。電力消費の見える化が実現できる計測器や表示器、通信機器の提案、ソーラー発電設備の導入提案などが挙げられる。

これらは工場設備や工場周辺での提案が最も取り組みやすいが、さらに対象を広げて、ビルや店舗、自治体、学校、農業などもターゲットにしている。

FA制御機器商社は従来、工場などものづくりへの販売活動が中心であっただけに、販売方法、商材なども従来とは多少異なる点も出てくるため、自社ですべてを完結させるのではなく、他社との連携・協力などが必要になってくる。

東京・秋葉原では商社間での協力体制が構築できているが、ここ以外は比較的同業者との横の繋がりが弱いだけに、今後同業と連携しながら、それぞれの商品的、地域的な強みを生かした取り組みが重要になってくる。

電力関連ではソーラーや風力発電の増加に伴うDC電源機器需要も期待されている。DC電源はエネルギー効率性が高いことは知られているものの、まだ高圧機器での使用は限定的となっている。AC電源主流の中にあって、効率的にエネルギーを活用できる点からも、機器の普及が期待されている。

医療機器関連も、比較的産業空洞化の影響が少なく、今後の発展が期待される分野として注目を集めている。世界の医療機器市場は約23兆円あるとも言われており、非常に大きな規模を形成している。米国メーカーが高いシェアを有しているものの、日本メーカーの強い分野や日本のロボット技術を生かせる部分もある。また、医療機器用の部品では日本製の採用も多くなっている。

先進国の高齢化や新興国の人口増大など、医療機器を取り巻く環境は右肩上がりの成長が見込め、しかも高額であることから利益率も確保しやすい市場でもある。信頼性が最優先されるだけに、日本を中心とした供給体制が継続していくものと見られる。

ものづくりの海外シフト傾向が強まる中で、海外からの輸入販売も検討課題になりつつある。顧客のコストダウン要求に応えることで、取引を継続し、売り上げを確保するのが狙い。品質、デリバリーなどを商社が介することで、顧客との信頼を得ようとしている。海外品専用のカタログを作成しているところもあり、この動きはさらに強まりそうだ。

国内全体から見ると大きな市場を形成している関東地区であるが、今後の市場展望では大きな拡大は見込みづらく、今後はシェア拡大に重点を置こうとする動きが強まっている。

関東地区の営業強化に向けて、他の地区から拠点の開設や、現在の拠点の人員増員、さらには資本提携などが活発になっている。営業強化へ組織の見直しなども進められており、メディカル営業部や環境・省エネ部門の開設などが行われている。

流通にとって追い風の要素も出て来ている。一部のメーカーでは、今までの直販重視から販売店経由での販売にシフトする動きも出ているからだ。各社色々な理由があるが、直販による大量販売が見込みづらくなっている製品では、少量でも販売店を経由することで効率的に販売し、利益を確保しようとする狙いや、国内市場の成熟化で営業人員投資を抑えるために、販売店に営業機能を代替させようとする狙いなど様々である。

しかし、基本は商社機能を有効活用して売り上げを確保しようというもので、この流れをうまくキャッチして、存在をアピールすることも重要だ。

10月に開催されたエレクトロニクス業界最大の展示会「CEATEC」が、モーターショーと見間違いそうになるほど業界が変化している。「変化の時こそチャンスあり」で、色々な業種が集積している関東地区こそ、そのチャンスを生かせる絶好の位置にいるといえる。